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くじら月光船


変わらない景色が悲しくて泣いていたら
いつも空の花瓶に
花をひとつ挿してくれたね

「くじら月光船 今夜こそ
見えなくなるまで連れてって!」
願いを書き込めたノート
夢でも見てるのかな

「望んだ朝が今日も来ないな」
引っ掻いた傷 撫でながら言うから
抱き寄せて探る その心音

今夜 月光船 「迎えに行く。」
ゆっくり目を閉じ 待っていて
僕らは夜を泳いでく
ふたりだからもう怖くない

覚えてたい事はそれ程なくて
眠れない夜がまた更けていく
忘れてしまわないで

くじら月光船
ひとりにはさせないよ
さあおいで!

「くじら月光船 今夜だけ
見えなくなるまで連れてって!」
月に潜って光に溶けよう
ゆっくりおやすみ
ゆっくりおやすみ

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