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夏霞と夜盗虫
浮かれて眺めてた花筏は 懐かしいね
五月雨はまだすこし涼しかった
貴方は焦がれて鳴く蝉のようで
私が鳴かず身を焦がす蛍
やらずの雨が二人を引き止めてく
堕ちていく overdose ふたりの
青の億劫 瑠璃の割る音
リナリアもう気づく頃かしら
静寂 微睡む夜明け
ラベンダーが濡れて香る午後に
ラムネ瓶から滴る水が肌をすべり
希死念慮 ああ 熱く濃く滾る
堕ちていく overdose ふたりきり
ソーダ泳ぐ 夏のダイバー
カンカン秋の知らせは遠く
静寂 雨待つ夜明け
堕ちていく overdose ふたりきり
時雨心地に身を委ねて
カラカラ秋の知らせは遠く
堕ちていく overdose ふたりの
青は億劫 瑠璃を割る音
日向水 浸るアメンボにも
静寂 終わらぬ夏が
堕ちていく 朝凪の出会い
忘れていく 花を結ぶ季節