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闘う日本人 2月 バレンタイン(後半)

このショート小説は、約5分で読める
ほんとにバカバカしいショートショートの物語です。
毎日、日本人は頑張っていつも何かと闘っている。
そんな姿を面白おかしく書いたものです。
わずかな隙間時間に暇つぶしにでもなればと思います。

今回は2月の闘いの『その2』の続きで『その3』です。
2月と言えば……やっぱりチョコレート?

 鈴木が部署に帰り、自分の席に着くと
『バレンタイン 営業部女子一同』
 という、袋詰めのアルファベットチョコはそのまま机の上にあった。
 鈴木はそれを見ると、さっきの林部長とのやり取りを『馬鹿らしい』と思いながら、それを机の脇に置いて、定時までの仕事をもうひと頑張りした。

すると、どういうわけか秘書課の山内さんが鈴木に近づいてきた。
「どうされました。こんな所に来られるなんて珍しいですね」
 鈴木は秘書課の社員が、営業部に何の用事があるのだろうと思って訊いてみた。
 山内は小柄で可愛いらしく皆から人気があったが、それに鼻を掛ける事もなく控えめな感じがあって、鈴木は密かに好意を持っていた。

「いや別に、何でもないですけど・・・・・・」
 山内はそう言いながらも、鈴木の側を離れようとはせず、周りの様子を気にしていた。
 そんな山内の様子に鈴木も気になり、周りを見ていた。
 
 騒々しい営業部はみんなが忙しく、人の事など気にする事もなかったが、鈴木の向かいの席と隣の席の者が席を外した一瞬、山内が座っている鈴木の膝の上にそっと紙袋を置いた。

「え?」

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