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創作大賞に向けて(初のエッセイです)

「瞳ちゃん。お茶!」

 これはドラマ「あぶない刑事」で、中条静夫さん演じる近藤課長が、同じフロアにいる若い女性警察職員の瞳さんによく使う言葉でした。

 近藤課長がイライラしていて落ち着きたい時とか、くつろぎたいと言う場面に、一つ間を置くという感じでよく使われていました。 

 私はこの言葉が好きだった。

 もちろん今の時代には使えない。

 もしも今の時代に、これを言った上司がいればセクハラ・パワハラものです。万が一自治体の長がそれを言おうものならリコール運動にも発展しかねない。

 最近は「帰ってきたあぶない刑事」の映画が上映される関係で、再びあのドラマが脚光を浴びてきましたが、最初の放映からもう38年も経っているそうです。

 当時、まだ学生だった私は、最初から『あぶ刑事』見ていました。
 そしてあのかっこよさにも憧れました。「いつかはレパード(タカとユージが乗る車種)を買って、格好良く車を乗り回したい」などと思っていたが、結局それが実現することはありませんでした。唯一、自分がサラリーマンになってネクタイを締める時に、あのタカとユージのようにネクタイを自由に遊ばせるために、ネクタイピンをしなかったのがせいぜいの真似でした。なので、この年になってもネクタイピンは1本も持っていません。
 あれからずいぶん月日が経ったものです。

 話しが少々ずれましたね。

 あの『瞳ちゃんお茶』と言うのは、いかにも昭和の頑固親父を象徴するような言葉ですが、どこか温かさを感じるのはわたしだけでしょうか?

 それは近藤課長演じる中条静夫さんの演技力だったのか、あるいは男のエゴやおごりなのか、はたまた、単なる私の勘違いだったかも知れない。

 私はこのNoteでしばらく、短編を中止して『note創作大賞2024年』に応募すると宣言してから、なかなか思うような小説が書けていません。
 それはあの『瞳ちゃんお茶』のように、文字だけで書くとそれに温かみを表現できないように、文字として人の感情をどう表すことができるのかということがまだまだ未熟だからではないだろうかと思います。

 あの昭和の時代。

「○○ちゃん、お茶」なんて言うフレーズは特別な言葉でも何でもなかった。普通の日常過ぎる言葉でした。まさかあの時代に、38年後はもう使うことができないフレーズで、それ自体が懐かしい響きになるとは誰も想像していなかったでしょう。

 私もそんな時間が経ってもあせない言葉を選びながら、丁寧に創作大賞の小説を書き上げたいものです。


note創作大賞2024 オールカテゴリ部門に参加しました。
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