(特に海外の)経験はすべて過去のものですよねえ
昨年夏の言語研修の前に、準備のためということで2週間ほどアゼルバイジャンはバクーを訪れたことがありました。その時の話は以下の通りマガジンにもまとめてありますが、
みなさまご存じのように、あの時期は(まあ今もですが)全世界がパンデミック下で、やや緩和されつつある時期にさしかかっていたとはいえ、出入国の制限も国によっては相当厳しかったものでした。
アゼルバイジャンも同様で、たしか2021年は9月くらいまで事実上通常の出入国は事実上シャットアウトされていたと記憶しています。ようやく秋に差し掛かるころ、入国前72時間以内のPCR検査陰性証明書とワクチン接種証明書を入国時に提示することで観光ビザが発給されるようになっていました。
まさにそのタイミングで、翌年の研修に関わる諸々の話を東京のほうからいただいており、準備のために渡航する意思があるか、と打診をいただいたのが9月末頃。あのタイミングで久しぶりに当地を訪問できたというのは大変幸運だったと今でも思います。
ぜひ上記リンクのマガジンを読んでいただきたいのですが、ワクチン接種証明書(いわゆる「ワクチンパスポート」と呼ばれていたものです)が必要になったのは入国時だけではもちろんありませんでした。入国後は大型ショッピングモールや飲食店、あとは国立図書館でも入館するときに証明書の提示を求められたのをよく覚えています。
当時バクー市民のみなさんは「紙」で証明書を持っている人というのはほぼほぼいなかったようで、スマホのアプリを見せてそれで各機関の中に入っていたようで、海外からのビジターとして入ってきた自分はことあるごとに地方自治体(私の場合は長崎市ですね)が発行してくれた、A4サイズの紙をどきどきしながら見せていたものでした。
これ、本当にバクーで通じるんだろうか?と毎回祈るように。結果として、幸い入店や入館を断られるケースはまったくなかったのですが、自分が入国する以前は「ダメだった」事例があるともうわさで聞いていたので、頼むからはやく日本もアプリで証明が見せられるようにしてくれ~、と思ったことでした。
さて、昨日2023年3月28日。本日京都にて開催される某「年度末の総会」にて報告をするべく、今月初頭の東京遠征に続いてこのたび京都に参上したのでありますが、「旅行支援」割引を受けるのにアプリを提示して、宿について一息ついたタイミングで、在アゼルバイジャン日本大使館からメーリングリストでお知らせが来ているのに気づきました。以下、引用です。
そっかぁ、バクーも空路で入国するぶんには、もうかつての紙きれ一枚見せるあの儀式もなくなったのだなあ、と。一昨年実際に訪れたときの情報は、行って戻ってきた直後くらいは記憶としても情報としても新鮮でしたが、こうして自分の体験や経験はどんどん古いものになっていくのだなあと改めて思ったのでありました。
もうあとは、数十年後によぼよぼになった自分が、誰かを相手に「ワシが2021年にのう、バクーに行ったときにはコロナの制限がまだ残っててのう、ワクチンパスポートが(以下略)」みたいな話を饒舌にしつつも、相手からはこのおじいちゃんまた昔話しとる」的にあきれられる図しか脳裏に浮かんできませんね…
むろん、国内外に限らず、自分の体験したことそれ自体はとても貴重なのですが、一方でこの体験はどんどん古くなっていくのだということは(特に国外での体験は!)常に頭にとどめておこうと思うのでありました。
ということで、本日は年に一度のイベントに行って参ります。
自分の話は、とても人前で話すような段階のものではないのですが。まあ、現状の報告ということでやってみましょう。例の趣味が研究に結びつくといいですがどうでしょうねえ…という話です。