2021年度薬ゼミ全統I(246回) 雑感(必須問題)
模試は大学や場所によって受ける時期が違うようなので、Twitterではなくこちらにまとめて書くことにしました。以下ネタバレ注意。
初めて受けた感想としては、国試のような得点調整がほとんどないのが印象的でした。国試は正答率が高い問題を例年ある程度以上作るため、難しいトピックだと露骨に選択肢をわかりやすくしたり、正答2つのところを誤答1つなどに変えてきます。そして消去法でもある程度選べるように、極端に難しい選択肢はあまり作らない傾向にあります。でも模試はあまりその辺の調整はしないというか、その分の難しさがあるなという風に感じました。
あとは…なんというか国試より注意力がやたらと要るテストに感じました。注意力がない自分にはけっこうきつかったです…。
復習についてなんですが、結局国試って5つの選択肢の場合4つ完全に分かれば正解できるので、国試で出そうにない難しさの選択肢は捨てるのも手だと思いました。
必須問題
以下は完全に個人の主観の感想です。責任は取れませんがご意見があったらコメントやTwitterの方でお願いします。
106回と比べるとやや難?何問か理論問題レベルのものがあった気がします。最近の国試も必須にしては難しいよね…?っていうのが数問混じってたりするんですが、やっぱり必須では1点でも多くとりたいところ。問題は解説を読みつつ気になったものだけピックアップして書いていきます。
◆物化生
3. この場合酸化還元滴定とすぐわかる人はあまりいない気が…。解説には指示薬のデンプンでヨウ素による酸化還元滴定だとわかります、とかそういう情報が欲しいなあとおもいました。
8. 同じことを聞いているとしても、問題文が「α水素が最も引き抜かれやすいものはどれか」ならたぶん正答率が上がると思うんです。そういう意味の難しさがあるように思います。
14. すごいひっかけ問題。MHCIIとみてすぐヘルパーTに飛びついた人も多かったのでは…。酵素や受容体をはじめ機能を持つものについては、出す方と受け取る方の区別をきっちりつける習慣が大事だなと。
◆衛生
24. 亜硝酸態窒素を知らなくてもアニリンの毒性のイメージがあれば解けたはず。
◆薬理
27. 骨格的にはイソプレナリン、フェニレフリンを覚えている人はなかなか居ないのでは…結局COMTがわかってても選択的α₁作動から考えることになります。
28. アンベノニウムとスキサメトニウムは併用禁忌なので、臨床で使われない組み合わせを問うのはどうなんでしょうか…。
34. トロンボポエチンとエリスロポエチンごっちゃになりがち。
39. ポリミキシンBはさすがに国試で出ないのでは…抗菌薬なら抗MRSA薬とかなら出題意図も分かるんですが。
◆薬剤
42とか50は国試でも出そうだなーって思いました。
41. OAT1により、じゃなくジカルボン酸との交換輸送により、と聞くのは必須レベルではない気がします。フェノールスルホンフタレインも薬剤の優先度的には覚えなくてもいい気がします。
44. 経口1-コンパートメントモデルの式を覚えるリソースは他に使った方がいいと思います。Cmaxが早くなってる→吸収が早くなってる→kaが大きくなってる、ってイメージがあれば十分な気がします。
51. 覚えなくていいと思います。ヨードチンキは酒精剤、アヘンチンキはチンキ剤になります。むしろ残りの3つを区別できる方がよほど大事な気がします。
54. スパスタブは画像検索すると結構怪しい形が出てくるので、これを覚えておくのがいいと思いました。
◆病態
56. 症候学は正答率低めなのに誤答を選ばせるという難しい問題。
57. これも難しい問題だと思います。ウロビリノーゲンはビリルビンが腸内細菌で還元されたものなので、詰まってたらそもそも代謝されないというのがポイント。
60. アナフィラキシーはショックとついても頻脈なので注意。
62. ネフローゼは腎臓ダメになる→肝臓が代わりに頑張りすぎる、というイメージを持っておくとこういう問題は解きやすくなると思います。
68. 日本製薬団体連合会はDSUの作成・発行です。
69. 統計ある程度やってるとχ²検定かWilcoxonの符号付順位検定かで迷うもの。Wilcoxonのは英語でsigned-rank testというので、対応があるというのがわかります。国試ならχ²検定の方しか選択肢にないと思います。
◆法規
74. ほかの選択肢、とくに期限付き承認と再生医療等医薬品の組み合わせはいつ国試に出てもおかしくない気がします。
75. 盲点になる問題だと思いました。
79. 正解よりも誤答が国民医療費に含まれないことを知っておくことが大事かも。
◆実務
84. レボセチリジンも同様。
89. 浣腸液の特性や使い方は実際出てもおかしくないなーと思いました。添付文書がわかりやすいです。