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我が家の猫物語(1/3)

過去の話になりますが、

ある日、息子が私に言った、“僕の家では猫を飼わないのかなあ。”

私はすぐに“可愛い猫の飼い方と躾け方”という本を購入して読み始めた。

次の日曜日に、子猫のエサ、ベッド、トイレと猫グッズを取り揃えた。そして、平日休暇を取って、千葉県のNPO法人:捨て犬と猫のためのライフボート(https://www.lifeboat.or.jp/)に足を運んだのです。

このセンターは殺処分予定の捨て猫や捨て犬を保健所などから引き取り、避妊、去勢手術を施した上で飼い主を捜して譲ることによって、殺処分になる犬猫の数を減らそうとしています。
さて、係員さんの説明の後、子猫たちを見て回りました。そして目についたのが幼き日のズーちゃん。まだ名前はありませんが、可愛いので決めました。一緒のケージにもう一匹の白黒猫がいました。係員さんは、二匹はいつも一緒で決して離れようとしないので兄弟だと思います。と説明した。一匹でも二匹でも飼う手間は同じですよと同時の譲渡を勧めてくれた。白黒の猫は顔の真ん中が真っ黒けの鼻黒でした。つまり、冴えない容姿の雌猫だったのです。

もちろん、一緒に引き取りました。

 こうして、二匹の兄弟猫が我が家にやって来ました。最初はかわいいオス猫は小さかったのです。メス猫はオス猫より大きくて、オス猫のトイレの始末などの面倒を見ていました。弟猫が排便が終わるのを見計らって、トイレに向かい砂を便にかけて隠したのです。それから、弟のお尻に回って、肛門を舐めて綺麗にしてあげていたのです。だから、メス猫がお姉ちゃんでオス猫が弟になりました。姉弟が決して別れることがないようにと、日本の昔話“安寿と厨子王”にちなんで、お姉ちゃんのメス猫はアン(安寿姫)、弟のオス猫はズーちゃん(厨子王丸)とすぐに名前が決まりました。

 その後気付いたことなのですが、安寿と厨子王の物語を私は誤解していたのです。
 安寿と厨子王は生き別れになった姉弟が最後に再会するという展開と思っていたのですが、成人した弟の厨子王と再会を果たしたのは幼い時に分かれた母親であり姉の安寿ではなかったのです。安寿は一緒に奴隷だった弟の厨子王を主人の館から逃すために命を落としていたのです。
 この本来の話を知った時、私は不吉に背筋が凍りました。しかし、猫は家の中だけの飼育で交通事故に遭う危険もなければ、予防接種もしていたので病気の心配もありません。それに一度付けた名前で、すっかり二匹に馴染んでいましたので名前を変更しませんでした。そして、すぐに気持ちを切り替えて、二匹の健康についてはタカをくくったのです。


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