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【小説】クリスとジョージ
「ジョージ〜、お疲れ〜。お昼にしよ〜」
「おうクリス、お疲れ」
会社が昼休憩に入ると、クリスは毎日ジョージの元に駆け寄ってくる。
いや、別に普通に歩いてくるだけなのだが、クリスが毎日嬉しそうに楽しそうにジョージのデスクに来るので、傍から見ればまるで子犬が尻尾を振りながら駆け寄ってくるように見えてしまう。
「席お借りしま〜すっと」
クリスはそう言って、ジョージの隣の席に座る。席の主は外食組のため既にいないのだが、律儀である。
「今日のお弁当は何?」
「ありあわせ詰めただけだからな。レンコンの金平とかほうれん草の胡麻和えとかだな。メインは焼き鮭だ」
「やった〜!焼き鮭好きなんだよね〜。『ザ・日本食』って感じで」
どうやら今日の弁当はジョージが当番らしい。
聞けばこいつらは同期なだけでなく、子供の頃から家が近くの、所謂幼馴染みなんだとか。
で、今は交互に昼を作り合っている、と。
仲がよろしいようで。
「なあ、クリス」
「ん〜?な〜に?ジョージ」
「…午前中、取引先の応対した時、何かあったのか?……何となく困ってるようにも見えたんだが」
「……あ〜、気付いちゃった?何でもな…くは、ないか…。実はねぇ、クライアントさん、女性だったんだけど……、その……、口説かれちゃって……」
あ、ジョージが金平落とした。
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