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総額17万円以上が一瞬で消えた…
先日、私がカード不正利用の被害にあった話をシェアします。
私は現在海外で仕事をしており、給与が振り込まれるメインバンク「りそな銀行」のデビットカードを利用しています。
利用すると、ほぼリアルタイムで専用アプリ(チームラボが手掛けているだけあり、UIが素晴らしい)に通知が来る設定にしていて安心感があります。
ある日、仕事帰りにブーン、ブーンと数件の通知を受け取りました。ちょうど会社のエレベーターに乗ろうとした時でした。スマホをチラっと確認すると、以下の内容が目に入りました。
「APPLE COM BILL -4,757円」
「APPLE COM BILL -7,930円」
「APPLE COM BILL -22,946円」
最初、私はエレベーターの中で、「NewsPicksの年割プラン(約2万円)の一括請求かな?」
「だとしても、他のは何だろう?」と冷静に考えていました。
しかし、エレベーターを下りた瞬間、状況は一変しました。
ブーン、ブーン。
「APPLE COM BILL -22,946円」
「APPLE COM BILL -22,946円」
これはおかしい。あり得ない。何かが起きていることがわかりました。
歩いている間も通知が次々と来ます。
ブーン、ブーン。
「APPLE COM BILL -22,946円」
「APPLE COM BILL -22,946円」
ブーン、ブーン。
「APPLE COM BILL -22,946円」
「APPLE COM BILL -22,946円」
「クソッ、このままでは根こそぎやられる!」
![](https://assets.st-note.com/img/1729309544-zVxk4Jaq5BXb2ocnjDFg9lZm.png?width=1200)
急いでApple IDに入り、登録しているカード情報を削除。PWも変更しました。その後、APPLE COM BILLからの支払い通知は止みました。
総額173,309円。
「結構派手にやられたな」と思いました。カード会社にまず連絡し状況を伝えると、「カード不正利用窓口の時間外なので、明日また別の窓口にかけてほしい」と伝えられました。取り急ぎ、りそなの方に「カード利用停止方法」を教わり(アプリで簡単にできました)、次に、私はダメ元でAppleに問い合わせました。「電話」と「チャット」の選択肢があり、私は電話を選択。すると、1分もかからないうちに、シンガポールのスタッフから入力した自分の番号宛に電話がかかってきました。
私は状況を事細かに説明すると、先方はApple IDのアカウントを調べてくれました。
そして、「あなたとは別のアカウントによる購入履歴が確認できました。件数と額が一致します」と伝えられました。さらに、「確認ですが、あなたはファミリー共有など、購入を許可しているアカウントはありませんか?」と何度も聞かれました。
「いいえ、私はカード情報を共有して、購入を許可しているケースはありません」とはっきりと伝えました。すると、「わかりました。このアカウントのカード利用を停止し、アカウントごとバンします」とのことでした。
「はい、そのようにしてください」と返答しました。
「参考までに、相手は何を購入していたのですか?こちらのアカウントからは何も見れないのですが。」
「はい、この第三者と思われるアカウントからしか見れないようになっていますが、TikTok関連のアイテムのようです。」
「TikTokで2万円以上するアイテムがあるんですか?よくわかりませんが、犯人の場所はどのエリアですか?相手のアカウント情報が見れてるんですよね?」
「はい、確認できていますが、個人情報保護ポリシーでこちらからはお伝えすることができません。」
「そうなんですね、とりあえずバンしていただいたのであればいいです。」
「それで、被害額は返金してもらえるのでしょうか?」
「はい、第三者による不正利用ということで返金のオーダーを出しますので、通常24時間以上48時間以内で審査結果が出ます。」
「ちょっと待ってください?ここまでは認められていても、返金の審査が下りないこともあるのですか?」
「私たちは正確に回答することはできませんが、返金手続きは進めさせていただくのでご安心ください。」
「わかりました。」
このような会話で一旦電話を切り、私は48時間待つことにしました。犯人側のアカウントがバンされたと言っていたし、下りないことはないはずだ、と思いつつも、不安な2日間を過ごしました。
2日後、何もメールが来ないことにしびれを切らした私は、再度Appleに連絡しました。(友人曰く、毎回コールがつながるのは奇跡らしいです。)
そして、まさかの事態に遭遇します。Appleのサポートから「一回目のレビューは承認されませんでした」という説明を受けたのです。
「なんでですか?第三者による不正利用はすでに認められていたはずです。私の家族の利用が疑われているのですか?あり得ません、納得できません。」
「お気持ちは理解します。私たちのチームができることは、詳細をお伝えし、再度第2レビューへと申請するお手伝いをすることです。」
「そうですか、ではまた48時間以内に結果が出るのですね?進捗を知りたいので、後日お電話いただけますか?」
「かしこまりました。では、2日後の10時にこちらから結果報告のお電話をさせていただきます。」
このような流れで、再度Appleに結果を待つことにしました。
そのコール確認のメールには、なぜか返金ポリシーが添付されており、簡単に言えば、「一部不正が認められる場合など、返金には応じない場合がある」という内容でした。
私はAppleがこのポリシーを送ってきた意図に、逆に不信感を覚えました。
「私が不正をしているとでも?」
「返金が認められないということは、私は不正を行った加害者側やその家族だとまだ疑われている?(100%被害者側なのに)」
「第一、アカウントがすぐにバンされたのだから、購入されたサービスは誰も利用できない/できなかったはずだ。であれば返金にもすぐに応じるのが筋ではないのか?」
私は次第にAppleの対応にイライラし始めました。
その間、りそな銀行にも再度電話をかけました。要件は、まだ決めかねていたカードの再発行についてでした。
前述の通り、不正利用被害にあったカードがメインバンクのカードだったため、カードの再発行は生活費などのお金を一時的に引き出せなくなることを意味します。
実はその後もAdobeやよくわからないサイトからの支払い失敗通知(犯人からの不正利用)を受けていたことから、「これは、当初予想したApple IDの情報漏洩やファミリー共有機能の不正だけでなく、カード情報自体が漏れた可能性が高い」と判断し、カードの再発行を決めました。
りそなの担当者にカード再発行の依頼と、Appleでの審査結果を待っていることを伝え、最悪の場合返金が承認されなかった場合のアドバイスを求めました。
「とにかく、Apple側には、承認されなかった場合でも、必ず理由を聞くようにしてください。」
「わかりました。一つ懸念しているのは、いくつかのブログに『承認されなかった場合、理由も教えてもらえなかった』と書いてありましたが、その場合はどうすればよいでしょう?」
「その際は、Apple側の説明内容を伝えていただければ問題ありません。」
さらに2日後、私は約束の10時前にスタンバイし、Appleからの連絡を待ちました。しかし、約束の時間になってもコールは来ませんでした。
約束を破られたことにイライラした私は、再度Appleに連絡を試みました。
チャットで約束の時間に電話が来ていないことを伝えると、ケース番号を伝えたにもかかわらず、また一から説明を求められそうになりました。
「チャットでは説明が難しいので、電話をしてください。」と伝えると、すぐにコールがかかってきました。
ケース番号を伝え、第2レビューの結果を確認すると、私は愕然としました。
「残念ながら、第2レビューも承認されませんでした。これが最終結果ですので、これ以上の審査は受け付けておりません。」
「本気ですか?私の説明が認められ、相手のアカウントをバンするところまで進んだのに、なぜですか?例のポリシーが理由ですか?私は100%被害者であり、そちらの規定(返金されない例外)には該当しないはずです。返金されない理由を教えてください。」
案の定、Appleのサポート担当は利用規約に基づく決定だと説明しました。
私は「犯人が稼いだ金額を返金しないことで、被害者である私から見ると、Appleが最終的にその不正な収益を手に入れたことになりますよ?」
と嫌味を言って電話を切り、すぐにりそな銀行に連絡しました。
ひとつ補足しておきますが、Appleサポートのスタッフの方々には不満はありません。皆プロフェッショナルで親切でした。(電話の約束が守られなかった点は残念ですが。)
りそなの担当者も丁寧に対応してくれ、Appleからの結果を伝えると、すぐに返金手続きに進んでくれました。
ただ、内容は驚くべきものでした。
「返金手続きに入りますが、通常Appleの返金処理が完了するまでに8ヶ月かかります。さらに、8ヶ月後に必ず返金される保証もありません。」
「え?そうなんですか?では8ヶ月後に返金されるかどうか、どうやって確認するのですか?」
「返金された場合はAppleからも通知が来ますので、当社からもハガキでお知らせいたします。」
「返金されない場合もあるんですか?8ヶ月後に確認した方が良いですか?」
「そうです。最近では処理が12ヶ月に延びるケースもありますが、Apple側で処理が追いついていない状況です。私たちからもAppleに催促します。」
「なるほど、では8ヶ月後に電話すれば、返金の状況が分かるのですね?」
「その通りです。」
「ちなみに、Apple側からの返金が行われない場合もあるのでしょうか?」
「可能性としてはあります。その場合は、当社からカード会社の保険を利用して返金手続きを進めます。」
「わかりました。泣き寝入りするわけではないのですね。8ヶ月後に状況確認のお電話をします。」
こうして、私は8ヶ月待つことになりました・・・
りそなの担当者には、Appleに対する不満も少し話しましたが、「Appleの肩を持つわけではありませんが、お客様同様、Appleも被害者で、大量の案件処理に追われているようです。」と説明されました。
たしかに、Appleが一旦TikTokだか不正購入されたアイテムのデベロッパーに支払ってから、返金処理を行うのだとしたら理解はできます。
結局、犯人の情報入手経路や手口はApple側にもわからないようでしたが、学んだことはひとつ。
カードの利用上限はなるべく低めに設定し、必要に応じて上げる。メインバンクのカードはリスクが高いので持ち歩かず、スキミング防止ケースに入れて保管することが重要だということです。皆さんの参考になれば幸いです。
私は事件後にこれを買いました。
人の大切なお金を盗むような行為は、決して許されるものではありません。