うふうさぎになった日④
風の記憶
水の記憶
ほらもう一つ
そろそろ思い出す時間がきたよ
優しく微笑む星月夜
心地よくてさ
ずいぶん
眠ってしまったんだね
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少しだけあの頃の
【うふうさぎになった日】
にお付き合いいただけたら
うれしいです
（うふうさぎは
今は障がい者施設で働いています）
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私は高齢者施設の
相談員として働いている
無事
退職届が受理され
3月31日に退職が決まった
有給消化もあるため
勤務は
15日くらいまでになりそうだ
まだ
公には
言えないのだが
少しずつ
同僚に
伝えているところだ
伝えてみて
ほんとに
びっくりするんだけど
今まで伝えた
全員が
私と同じように悩み
葛藤し
これからの働き方について
思案しているということだ
同世代
もう少し
上の世代が多いが
やはり
例外なく
否応なく
人生という
とりとめのないものと
向き合っている
今日は
月1回の
レクレーションの日
慰問の方々が
きてくれて
歌や踊りやマジックや
それぞれ
趣向を凝らした
演目で
楽しませてくれる
本日は
歌とキーボード
ご姉妹で15年ほど
活動されているとのこと
相談員の
仕事は多岐にわたる
入所退所の手配から
契約、書類作成に
事務仕事
緊急時の病院への
救急搬送の手伝いから
来客対応
もちろん
相談業務から
会議まで
そう
いわゆる
何でも屋的な
所もある
本日は
2，3階から
入所者さんを
ホールにお連れせねば
うちは
介護度も高く
大半が車椅子
自走できない方がほとんどで
リクライニング車椅子の方も多い
1階ホールに降ろし終えたころには
歌はもう始まっていた
一青窈さんの『ハナミズキ』
あ・・・
やばい
泣きそう
嬉しそうに
手拍子する入所者さんの
後ろ姿
一生懸命
盛り上げようとする
職員さんの姿
もう次の
レクレーションの時に
私はいないんだ
もうこの光景を
みることはないんだ
ああ
最後なんだ
色々あったな
ほんと
精一杯がんばったな
いい仕事だった
もう少し
続けたかった気もする
きっと
辞めたこと
後悔するよね
うん
多分めちゃくちゃ
後悔する
だって
この仕事
本当に大変だったけど
本当に楽しかった
きっと好きなんだな
けど
もうそろそろ
行かなくちゃ
だってもう
フェーズは変わったんだ
「では、次の曲です。
皆さんもよくご存じの方。
私の尊敬する方の歌です～♫」
美空ひばり
『川の流れのように』
知らず知らず 歩いて来た
細く長い この道
振り返れば 遥か遠く
故郷が見える
でこぼこ道や
曲がりくねった道
地図さえない
それもまた人生
ああ 川の流れのように
ゆるやかに
いくつも 時代は過ぎて
ああ 川の流れのように
とめどなく
空が黄昏に 染まるだけ
生きることは 旅すること
終わりのない この道
愛する人 そばに連れて
夢探しながら
雨に降られて
ぬかるんだ道でも
いつかは また
晴れる日が来るから
ああ 川の流れのように
おだやかに
この身をまかせていたい
ああ 川の流れのように
移りゆく
季節 雪どけを待ちながら
ああ 川の流れのように
おだやかに
この身をまかせていたい
ああ 川の流れのように
いつまでも
青いせせらぎを 聞きながら
こりゃ泣くでしょ
うん
泣くしかないでしょ
これは
エールですよね
うん
ひばりさんからの
やさしいエール
大丈夫
不安なのはみんな一緒
そうあなたもわたしも
大丈夫
肩の力を抜いてみよう
抗うことなく
鼻歌でも歌いながら
口笛でも吹きながら
身をまかせてみよう
この心地よい流れに