旅と私 #04 東北新幹線
実家に帰ってご飯を食べながら互いに近況を話しているなかで、先日東京駅に行ったという話から、新幹線の思い出話へと話が膨らんだ。
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私の母は、八戸の出身で大学生の時に上京し、東京で就職、結婚した。父は東京出身だ。
私が小さい頃に祖母が倒れ、以来二人姉妹の母と叔母が定期的に帰省して看病に明け暮れる祖父の手伝いに行っていた。
その帰省にくっ付いて行く幼い私。そんな環境から、東北新幹線はとても身近な乗り物だった。
私の古い記憶では、新幹線に乗る前に上野駅構内のジャイアントパンダを眺めてから乗っていた。まだ東北新幹線が上野発だった頃だ。
東北新幹線の東京-上野間が開業したのが1991年。
東京駅から乗るようになる頃になってからは、新幹線改札近くの売店で本を買ってから乗り込んでいた、という記憶がある。絵本のような正方形に近い童話の冊子と、母が読む週刊誌。母が週刊誌なんて買うのは新幹線に乗る時くらいだが、それは今でも健在のようだ。
まだ、東北新幹線の終点が盛岡駅だった頃。盛岡で新幹線を降りると、特急はつかりに乗り換えて八戸へ向かった。
この、はつかりの、独特の車両の臭いが幼い頃あまり好きでは無かった。ということを言ったら、母も、確かにローカル列車特有のこもった空気だった、と分かってくれた。幼い頃は必ずと言ってよいほど、この臭いと乗り物酔いに負けていた。そんな子供を連れての移動はさぞ大変だっただろう。。。
1992年、山形新幹線が開業。
はじめて山形に行くのはその数年後になるが、シルバーに緑のカラーリングとつばさという可愛い名前が気に入っていた。線路の幅とか新幹線なのに遅いとか、そこら辺もなんだか愛おしい。
今はカラーリングが変更されていて、自分の中での山形新幹線とちゃんと紐づいていないが、とれいゆつばさはいつか乗ってみたい。
1997年、秋田新幹線開業。
秋田に初めて行ったのは飛行機でだったが、その秋田旅行できりたんぽ鍋に出会った。家族一同気に入り、八戸への帰省の途中、きりたんぽ鍋を食べるためだけに一度秋田に寄ったこともあった。
2002年、盛岡-八戸間開業と、はやての運行開始。東京-八戸間が3時間を切ることになった。もう高校生となっていたので、お盆に帰省するくらいに行く機会も減っていたが、新型車両にワクワクしたのが懐かしい。
だが引き替えに、はつかり号は引退していった。
2010年、八戸-新青森間開業。
2011年、はやぶさ運行開始。
八戸以北に乗るのは2016年の出張が初めてとなったが、初めて八戸に降りずに通過するのはなんだかそわそわした。
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兄が大学生になるまで車の無かった我が家にとって、移動の基本は電車であり、東北新幹線は無くてはならないものだ。私は東北新幹線の発展と共に成長してきたようなものだと思っている。
今週末、久しぶりにやまびこに乗る。
沢山の思い出に、新たな1ページが加わるのが楽しみだ。