旅と私#09 合宿
2月になり、コロナとの付き合いも丸2年になる。
同時にそれは、毎年行っていた合宿との付き合いが無くなった期間でもある。
社会人サークルの合宿なんて遊びに近いものだからどうってことないけど、恒例行事だったのでちょっと寂しい2月。
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会社にはいくつかサークルがあって、その中の吹奏楽サークルに所属している。
入部当時、久々の複数名新人加入だったこともあり、ただ音が出るだけに等しい実力(楽器経験は中学3年間のみ)でも大歓迎された。その後、毎年のように新人が入るようになって部が活性化し、3年後には合宿が復活した。
社会人サークルの合宿は週末を使った1泊2日、もしくは金曜夜出発ができる人は2泊3日だ。
①全体合宿
金曜日の業務後に車に乗り合って都心から河口湖へ向い、到着したら酒盛り、土曜の朝に後続組が到着したら練習開始。
昼食を挟んで夕方まで練習したら、希望者は近くの温泉へ。早めの夕食後の夜練が終わったら盛大に酒盛り。
翌朝午前中練習をしたら後片付けして昼食を食べて帰京、会社で楽器を倉庫に戻したら解散というスケジュール。
土曜日の温泉は時間との戦いとなる(夕飯開始時間は厳守)ので、最近は参加せずに居残ってまったりお喋りしている人も増えてきた。
気心知れた仲間と、食べて飲んで楽器を吹く。
河口湖にある音楽ホール付きの民宿は、学生も多く利用しており、畳の大部屋で30人近くが一堂に食事をするのも、部活みたいで楽しい。
②パート合宿
練習がオフ期に入る冬に、パート合宿したいというオジ様たちの発言から始まった冬季のパート合宿は、軽井沢にある、会社の保養所のコテージタイプの部屋を借り上げて行われる。
金曜日の業務後に車に乗り合って都心から軽井沢へ向い、到着したら酒盛り。土曜の午前中に後続組が新幹線で向かう間個々人で楽器を吹き、後続組を軽井沢駅でピックアップしたらランチを食べに行って宿に戻り、午後はパート毎に楽器を吹く。夜ご飯の後にも楽器を吹くかはメンバー次第。お風呂から上がったら酒盛り。翌朝楽器を吹くことは稀で、昼頃会社に着いて楽器を倉庫に戻して、近くでランチ食べて解散、というのが基本の流れ。
2つのパートで10人前後、少人数だからこそ、徐々に皆我儘を言い始める。(そしてすぐに反映できる)
最初は金曜夜出発ではなく、午後半休を取って金曜昼に出発し温泉に入りに行く、というものだった。
これに味をしめたオジ様たち。続いて、おすすめのお店があるから金曜のランチをそこで食べる為に、出発時間をもっと早くしたい、と言い出した。
最早午後半休どころか、金曜に有休を取る必要がででくる。だったら時間はたっぷりあるからアウトレット行って買い物したいと別のメンバーの発案により、今では金曜朝から出発し、ランチを佐久で食べ軽井沢アウトレット買い物組と温泉組に別れ、満喫してから宿に向かうというルーティンが出来上がった。
※有給が取れない場合は土曜からの参戦となる。
日程の半分が遊びだ。
そんな軽井沢パート合宿が、毎年2月に行われていた。
雪のない年もあれば、真っ白な年もある。同じ時期に同じ場所に通い続ける楽しさを、この合宿で知った。
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他のスポーツ系サークルと異なり、会社引退後に続けてる人もいるくらい、活動期間が長い吹奏楽サークル。
部長とかそれ以上の役職のオジ様たちと平社員がへらへらと一緒に遊びに行く様子に、当初はサークルに入っていない周りの同僚達からは奇異の目で見られることもあったけど、それこそが会社のサークルの醍醐味ではないか。
今はまたオフ期間。
早く、気兼ねなくみんなで合宿できる日が戻ってきてほしい。