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エンディは飛び起きた。 あまりにも奇妙な夢を見たからだ。 目が覚めると、自分の脂汗の量と息の荒さに驚いた。 宿泊先の小さなホテルを後にし、街に出る。 ボロくて殺風景な部屋だったが、久しぶりに雨風を凌げて屋根のある場所で一夜を過ごせたことにありがたみを感じながら歩き出した。 天気が良く、風が気持ちいい。 昼過ぎまで寝ていたのをもったいなく感じた。 ここは大国、バレラルク王国の端っこにある、自然が豊かで農業と漁業が盛んな小さな田舎町だ。 この少年は散歩が大好きだ。