転職を妨げる要因とは?
起業や転職をするうえで、それを妨げる環境的要因として3つの手錠があると言われている。私自身、大企業からスタートアップ企業に転職することに対して、まさにその要因にぶつかり、なかなか踏み切れなかった。
「キャリアの手錠」
素晴らしい肩書きや有名な勤め先といった社会的地位。大企業を辞めてしまうと、社会的信用を損なってしまうのが怖い。
「黄金の手錠」
大企業で役職も上がってきて、高収入になってきたが、スタートアップ企業に転職すると給料が下がってしまうのが怖い。
「家族の手錠」
いわゆる嫁や家族ブロック的なもの。住宅ローンや学費を支払いをどうするのか!?など嫁からの攻撃。
上記の3つの手錠は、これらは時間が経つにつれて強く締まっていく傾向があると言われている。
ここで、私自身のことで当てはめて考えてみる。
スタートアップで働いてみたいという気持ちがあったので、大企業を辞めることで社会的地位がなくなることが不安ということは、そこまで感じていなかった。
だが、収入が下がってしまうことで家族を養っていけるか、オファー額が低かった場合に家族をどのように納得してもらうかが高いハードルだった。
実は、過去にオファーをいただいた企業があり、その時には「黄金の手錠」「家族の手錠」によりオファーを断った。理由は、これまで経験したことのない業界への参画で想定よりも年収が下がってしまうことに対して、家族への説明が難しい状況になり、口論になってしまったことがある。
この時、次は家族から理解されないような転職は止めようと思い、ありたい姿をあらためて整理し、異業種への参画を必ずしも主としないルールを自分に設定した。
そして、時は経ち、よい会社に巡り合え、別の企業からオファーをいただいた。前回の反省を踏まえつつ、スキルセット、共感できるビジョンや価値観、自分が成し遂げたい方向性やカルチャーフィットがある会社で、オファー年収も許容できるレベルをいただき、家族からも理解してもらった。
個人的には、既婚者であれば「家族の手錠」=「収入面」「時間面」などのハードルがあると思うが、退職金や贈与、あとは子どもが成長していくことで手が掛からなくなり時間が工面できる、配偶者が働いており一定額は収入がカバーできるなど考え方によって色々とクリアしていくことはできると思う。
自分が目指すゴールに向けて、どれぐらいのレベルまでであれば自分が持っているものを失ってもよいのかを考え抜くことが行動する一歩目を後押しすることになると思う。