論文記録9 高階秀爾「アカデミー・ジュリアンと日本人留学生」
おはようございます😃
今朝の論文は、高階秀爾先生の「アカデミー・ジュリアンと日本人留学生」(『美術史論叢』7号、1991年3月)です。
昨日の論文から芋づる式に読むことにしました。今、渡欧画家に関心がありまして。
高階秀爾先生の論文はやはり読みやすいです。しかも、大事なことが書いてあるので、初心者にもオススメです。
章立てが立ってないので、概要を書くと、アカデミー・ジュリアンの研究史の紹介、その概要紹介、設立者ロドルフ・ジュリアンの活動、アカデミー・ジュリアンの特色(特に女性と外国人に開かれた画塾だった)ことなどを紹介、当時の月報から日本人留学生の状況などを紹介しています。
なるほど、国立美術学校からこぼれ落ちた人たちの受け皿?的立場もあったのかな、と理解しました。
西欧の美術史も長らくアカデミー・ジュリアンなどアカデミー系の研究は軽視される傾向があった(前衛美術運動を中心に記述されてきた)といいますが、さらにそのアカデミー・ジュリアンに学んだ日本人画家(太平洋画会系、鹿子木孟郎とか中村不折とか)はさらにさらに研究が進みにくいようにも思えてしまいました。
美術史研究のこぼれ落ちているところ、まだまだいっぱいありますね。
28分