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顧客は穴ではなくドリルが欲しい。しかも課題の多いドリルだ。

シングルバーナーは今までプリムスのP-153ウルトラバーナーを使っていたのだが、なにか猛烈に「スノーピーク ギガパワーストーブ“地" GS-100R」が欲しくなり、衝動買いしてしまった。。。

しかも、オートではなくノーマルの「地」が特にいい(オートは着火するためのイグナイターが付いているが、ノーマルには着火装置がない)。

ギガパワーストーブ“地"は、1998年の発売からほとんど形が変わっていない。
その完成された機能美と「世界最小、最軽量、最コンパクト」のコンセプトは世界中のアウトドアファンを驚かせた。

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交差して組めるゴトクが美しい。

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うっすら見える*snow peakのロゴもかっこいい。

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使い込まれて変色するバーナーヘッドも良い。

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P-153と比べてもかなりコンパクトだ。とにかくかっこいい。
しかしいくつかの問題点がある。

課題1:風に弱い

ゴトクが風を防いでくれるP-153や、バーナーヘッドがすり鉢状になっていて風の影響を受けにくいsotoのウインドマスターと異なり、地は潔くバーナーヘッドを無防備に晒しているため、風にとにかく弱い。

当然、買う前からこの弱点は知っていたので新たにオプティマスのウインドシールドを購入し、風に備えた。

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しかし、山ではこれでもかなり風の影響を受けた。ガスが出る「シュー」という音と、ガスが燃える「ゴー」という音が相まって、シングルバーナーの音は「シュゴー」と表現されるが、ほとんど「シュー」しか聞こえなかった。

実際、炊飯が終わるまで20分以上かかり、ガスバーナーにしてはかなりの時間を要してしまった。うーむ、思った以上に風に弱い。

課題2:熱い

これは使ってみて実感したのだが、プリムスやsotoに比べてバーナーヘッドまでの距離が短く(だからコンパクトなのだが)、つまり火が近いので、バルブを閉めて弱火にしようと思った時にかなり指が熱かった。思わず「熱っ!!」と言ってしまうぐらいの熱さだ。

マーケティングで有名な言葉に「顧客はドリルじゃなくて穴を欲している」というものがあるが、このセオリーは登山ギアにおいては、通用しない。
手早く炊飯したけばsotoのウインドマスターや、そもそも腹を満たすことが目的であれば生米など山に持っていかずにカロリーメイトやおにぎりでいいわけだし、あえて調理するとしてもジェットボイルでお湯を沸かしてカップラーメンで問題ないはずだ。

しかし、実のところ、登山者やキャンパーには「ドリル好き」がかなり多い。しかも、不便なのになんとも言えない魅力を感じてならない課題の多いドリルに取り憑かれているのだ。

このスノーピークの「地」も、そんなドリルのひとつとなった。

僕はすでに風に強く、熱くならないプリムスのP-153を持っていたから、穴が欲しければこの「地」はお蔵入り確定のギアのはず。

しかし、なんとかして、「地」を山で使いこなしたいと思う僕がいる。そんな魅力が、この小さなシングルバーナーには詰まっている。


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