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鷹ノ巣山にも「ヤツ」がいた

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やってきました奥多摩駅。都内は猛暑に襲われており、奥多摩も例外ではない。めちゃくちゃ暑い。今回は、前回の雪辱をはらすべく、真正面から鷹ノ巣山に挑むことにした。

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奥多摩駅から丹波行きのバスで揺られること20分。倉戸口で下車。倉戸口で降りたのは僕以外にもう1人の登山者のみ。今日は静かな登山となりそうだ。

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美しい奥多摩湖を横目に集落の登り坂を登っていく。

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5分ほど歩くと看板が出ている。ここで右の階段を登る。

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で、また5分ぐらい歩いたらここで180°折り返す。まっすぐ行かないように注意。

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いきなりかなりの急登だ。奥多摩三大急登には数えられていないが、倉戸山ルートもかなりの急登だった。

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とても綺麗な甲虫がつがいでいるなと思って写真に収めたのだが、後で調べたらこの虫は「オオセンチコガネ」というフンコロガシの仲間だった。動物の糞や死骸を主食にしているようだ。触らなくてよかった。

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1時間ちょいで倉戸山。真夏の日差しも相まって、ここまでが超絶キツかった。登りはじめでエンジンがかからないうちに急登が続いたからだろうか。喉が乾いて水を飲んでもお腹がはる、とにかくだるい、首筋に寒気がする。

それ、熱中症じゃね?

確実に熱中症になりかかっている。岩場や難所などはなく登りやすい土の坂の連続なのだが、急登の九十九折りでとにかく体力を消耗する。折り返しのたびに木にもたれかかって休まないとキツくて動けない。

そして道迷い。

朦朧としながら登っていたので気がつかなかったのだが、このGPSの乱れを見て欲しい。まっすぐ登ってたはずなのに・・・

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榧ノ木山近辺で進路がバクっているのがよくわかる。後で調べたら、この近辺は落ち葉で登山道がわかりづらくなっており、道迷いしやすい注意箇所だという。それにしてもバグり過ぎてないか??こわ

ナンピン登山に突入

この辺りで疲労と体調不良がピークに。少し座って休んでるとすぐに虫が集ってきて休憩どころじゃなくなるし、まじで引き返そうと思った。倉戸山で引き返していればまだよかったのだが、榧ノ木山まで来てしまうと、だいぶ急登も終わっただろうし、もう少し、もう少し頑張れば頂上に行けるはず。。。という「ナンピン登山」状態に陥ってしまい、冷静な判断ができなくなる。

※ナンピン…株価が下がり続けても損切りができずに買い続けてしまう状態

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正直、鷹ノ巣山は諦めてこの分岐で水根へ降りておけばよかったと後になって思ったが、「あと300m。。。ここで諦める訳にはいかない」とナンピン脳になってしまった僕は、迷わず上を目指したのだった。

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2時間50分で水根山。あと30分、コースタイムあと30分だから…どんなに遅くても12:30にはつけるはず。最後の気力を振り絞って山頂を目指す。

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見えた!あれが鷹ノ巣山!ようやくゴールの姿を捉えた。道も楽になってきたし、本当にあと少しだ!

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今までずっと森の中をひたすら登っていたのだが、この辺で急に景色が開ける。

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謎のお花畑が出現。後で調べたら「マルバダケブキ」という植物だった。奥多摩に広く生息しているらしい。

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やっとついた〜!!!長かった!!!

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3時間17分。もともと3時間の計画を組んでいたので、ほぼ予定通りなのだが、体力の消耗が予想を遥かに超えていた。榧ノ木山以降、気力だけで登ってきてしまったがもう少し早めに損切りして下山してもよかった。気温の高さ、体調が万全じゃないこともあったのかもしれないが、確実に三大急登よりも体力的にキツかった。早めの損切り気をつけねば。

で、お昼にしようと思ったら、轟音と共にヤツが来た

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はい、お昼終了です。下ろしたばかりのバックパックを背負い直し、早々に下山開始。まあ、曇っていて山頂からの景色もイマイチだったし、休めるベンチなどもなかったし、狭い山頂だったのでそこまで山頂の休憩にこだわってなかったが、こんなにソッコーで下ることになるとは思わなかった。奥多摩の石尾根はスズメバチが多い。そもそも夏の奥多摩は虫が多い。あんまり登山に向かないのかも。

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山頂での多少の休憩と、下りの楽さでだいぶ体力が回復した。山頂をあまり楽しめなかったし、ピストンはつまらないので、(厳重注意ルートではあるが)帰りは水根山の分岐を水根沢ルートへ下りることにした。この選択が、後でとても良い結果をもたらした。

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おお〜!良い感じの沢が出現!特に、この963m付近に広めでとても素敵な沢が現れた。このあたりです。

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ここで休憩&昼飯リベンジすることに決定し、ヤツらに怯えながら食事の準備を進める。結果的に、ここではヤツらは出現しなかった。厳密にいうと、沢の滝の音が結構大きく、ヤツらの羽音が聞こえなかっただけで、いたのかもしれない。まあ、刺されなかったし、山頂より気持ちよく休憩できたし、結果オーライだ。

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アルコールストーブで、買ったばかりのミニュークX-MESHが風防として使えるのかどうかを試す。

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良い感じだ。お湯が沸くまで5分ぐらいかかったが、アルコール25mLぐらいで沸いたので、まあまあ使えるのかな?と思った。ULハイクと温かい食事を両立させたい時にはチタンアルコールストーブ+X-MESHの組み合わせはアリかもしれない。もう少しいろいろな山で試してみたい。

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思いっきり休憩もできたし、冷たい沢も楽しめたし、お腹も膨れたので気力・体力満タンで下山を再開する。人もほとんどいなかったし、この沢は本当によかった。むしろ鷹ノ巣山まで登らずにこの沢を目的にここまでハイキングに来ても良いかなと思った。

いや待てよ。榧ノ木山まで急登でヘロヘロになって、そのまま水根沢へ下りて沢で休憩して下山という新たな神アクティビティを思いついてしまった。また秋に試してみたい!

しかし、これ以降は沢が遠ざかってしまい、退屈な九十九折りの森をひたすら下るだけのルートだ。さすがに疲労と単調さから、ボーッと降りてしまう。で、ここで事件が発生。

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途中で土砂崩れによる迂回路があったのだが、それがそのまま林道とつながっており、ボーッと歩いていたら登山道を外れて林道をひたすら歩いていた。まあ、そのまま林道を下りてもゴールは同じだったのだが、なんかシャクに触って林道との分岐まで戻る。

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問題の分岐がここ。こんなんわかるか??看板もないし、普通まっすぐ行っちゃうと思う。まあ、いうてまっすぐ行ったほうが道的には安全なんですが。。。

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で、そのまま登山道を下って水根バス停へ。6時間半でゴール。めっちゃ疲れた。

夏の奥多摩、虫が多いし熱中症なりやすいし、要注意だな。でも水根沢を発見できたことは収穫だった。秋が楽しみだ。


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