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ハッピーの捉え方

2023/8/12___________ 西園寺小学校にて
教室に入るとクラスのみんながとても暗い、顔色悪くしていた。
佐藤遥 「なにこれ…ドッキリ…だよね…?」
クラスのリーダー的存在、佐藤遥が呟いた。
佐藤の瞳には黒板が写っていた。その黒板には何かが書かれている。
「待っててね_______。」
____の部分は赤い鉄臭い液体で見えなかったが多分人の名前であることが分かる。この液体は…誰でも分かるであろう。『血』だ。
柳木司 「おいなんだよこれ…お前か?昔ちょっとなんかあったからって…なにしてんだよ!」   バンッゴン
「いてっ」
こいつはイジメのリーダー、柳木司。東京リベンジャーズでいうマイキーみたいな感じだ。
顔もいいし、運動神経もいいのに性格は救い用のないほどダメなやつだ。この素晴らしい能力をいいことに使ったらいいのに…何回願ったことだろう。
昔私と一緒に虐められている奴もいた。
高橋瑠奈 「遥の通り、なんかのドッキリだよぉ〜笑 大丈夫☆なんかあったら責任はホタルちゃんに!笑」
周りがどよんとしているのを気づかず、全く空気を読めていないこいつは高橋瑠奈。要に言うギャルだ。こいつも柳木と全く一緒だ。
さっきホタルと言ったが、私の名前は渡辺蛍。小学6年生。
見たら分かるが、イジメの標的となって約3年。昔虐められてた奴らはどっかに行った。興味ないけど。逃げればよかったなぁ〜大丈夫だって思った自分はどこに行ったんだか。
ガラガラ
「おっ!お姉ちゃんお兄ちゃん達!黒板は見たかなぁ?」
私たちよりも背が低く少し声が高い子供が教室に入ってきた。
身長はザット140cmくらい。頭には紙袋をかぶっていて傘と拳銃を手に持っていた。
渡辺蛍 「(あの傘どこかで…)」
そしたらその子が喋り出した。
REINN 「私の名前はREINN! REINNだよ!」
彼女はREINNというらしい。外国人ではなさそうだら本名ではないだろう。
REINN 「REINN、お兄ちゃん、お姉ちゃん達に遊んで欲しいの!」
高橋瑠奈 「は?なんでよ。ただえさえ開かなかった扉をチビが…てか、さっさと扉開けなさいよ!ガキだからってそう簡単に…」
カチャ ダンッ
高橋瑠奈 「えっ!?……」
REINN 「ごめん!言い忘れてた!ちゃんとやんなきゃもっと 寿命が短く なっちゃうよ?
彼女の真横でREINNが拳銃を撃ったのだ。
REINN 「ねっ?気をつけてね。」
高橋瑠奈 「は…はいっ!」
REINNの言いなりになるしか生き残ることができないと皆んな感じ取ったのだろう。空気が一気に重くなった。
REINN 「脱出ゲームをみんなにはやってもらいま〜す!」
だが、どこにも移動する気配が感じ取れなかったため、この学校自体を使ってい行うのだろう。校舎全体を使うなんて、学校のお化け屋敷と学校探検以来だ。
校内にREINNの声が響いた。
「ゴールはREINNが今いる放送室だよ!がんばってね!」
「殴る、蹴る、殺すなんでもありだよ!」
「まぁ、2~3人くらいが来たら奇跡かなぁ〜」
「武器とかは教室でたすぐの所に適当に置いといたよ!」
殺し合いゲーム…スタート!
このクラスは虐めを除いてとても仲がいいクラスだった。今は死なんて気にしてられないのだろう。目がギロギロしてる…怖…
柳木司 「お前ら!さっさと死ね!」
女子がこそこそ話している所に柳木が包丁を持って走ってきた。
「オメェの方が団結力1mm以下なのになに言ってんだよ!」
「ざけんな!」
ひゃ〜女子って怖いねぇ
最終的には私を除く女子が柳木と戦って柳木は亡くなった。
とても気まずい中残りのメンバーは放送室へと向かった。道中でキレて数人が亡くなった。私を虐めている奴らだった。なにも気にしない。罰だ。きっと。
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理科室前   ※ちなみに放送室は最上階にあります。
渡辺蛍 「あ!佐藤さん…」
佐藤遥 「やっぱり〜蛍ちゃんだ!蛍ちゃん残ってたもんね。」
渡辺蛍 「はい。なんとか。」
話していた。その時だった。
ダダダダダ
佐藤遥 「なに!?」
渡辺蛍 「っ!?」
寺内宗馬 「ごめんなさい。僕は…きっと地獄行きだ…」
寺内は私たちに泣きながら剣を向けていた。
成績は全科目学年一位と優等生で、その分心を思いやる気持ちが強いのだろう。そんな彼にとってはこんなことに巻き込まれたくなかったはずだ。
佐藤遥 「じゃあ三人で行こう。蛍ちゃんと、私と寺内君で。」
寺内宗馬「俺はやらなきゃいけないことがあるんだ。弟の世話もしなきゃいけない。母さんの病気も治さなきゃいけない…」
寺内くんのお母さんは重い病気らしい。寺内くんはそんなお母さんの病気を治すためにお医者さんになるんだって。それに、双子の弟もいるんだって。しかもお父さんは浮気をして離婚。
渡辺蛍 「っ!佐藤さんの言う通りです。皆んなで行った方が華やかな未来が待っています。」
寺内宗馬 「だめだ!俺一人で行くんだ!」
佐藤遥 「蛍ちゃん!危ない!」
うわっ!もう…ダメじゃん。襲ってきちゃうならこっちからやるしか…
佐藤さんと目を合わせる。殺すのかぁ。でも、そしたら家族の方々が…全部。全部。あいつだ。REINN。アイツが悪いんだぁぁぁぁぁぁ
グサッ
寺内宗馬 「ぐはっ…母さんと…弟を…頼む。」
佐藤遥 「ッ…容赦ないね…今日は何人殺したの?」
渡辺蛍 「10人くらいは…」
佐藤遥 「そっか…」
渡辺蛍 「佐藤さんは?」
佐藤遥 「5.6人くらい…」
渡辺蛍 「偉いね。佐藤さんは。」
佐藤遥 「どうしたの?急に…」
渡辺蛍 「3人くらい殺したらもう…なんというか…罪悪感がなくなって。人じゃないみたいな。自分が誰なのかわかんない感じ。」
佐藤遥 「しょうがないのかもね。素を言うと、あのREINNが悪いんじゃないの。」
渡辺蛍 「私もそれ思った。それになにも罪をない人を殺させて…」
REINN 「陰口はダメなんだよぉ〜?」
佐藤遥 「っ!REINN!」b
REINN 「二人もいるぅ〜ヤッタァ〜」
人がたくさん死んだと言うのに陽気な声を出すREINNが怖く感じた。
放送室には私と佐藤さんと…REINN。
要するにちょっと前まで30人近くいたクラスメイトが一瞬にしていなくなった。この世からいなくなってしまったんだ。
佐藤遥 「君、なんでこんなことしたの?」
佐藤さんが鋭い声で聞く。
REINN 「そうそう!えっとね…REINNは蛍ちゃんを迎えにきたの!」
渡辺蛍    「は?」
佐藤遥 「蛍ちゃん、知り合い?」
渡辺蛍 「分かんない…」
なんとなく、最初の方に傘が見覚えあるような気がした。でも、分からなかった。
REINN 「僕だよぉ〜雨宮十夢!」
渡辺蛍 「えっ…!?」
私は思い出した。十夢は、幼稚園の時に私の隣の家に引っ越してきて、ずっと一緒に遊んでた唯一の友達。ここ、西園寺小学校は幼稚園からあって、お金持ちが多い学校だった。私の家は普通より少し金持ちの家だったため、通うことができていた。けれど…小学3年生の頃。過激ないじめによってなくなった。なのに、小学生の姿で今、私に触れている。私の瞳には…雨宮十夢。本人が映っていた。
十夢  「で、僕の計画に君、遥ちゃん?だっけ?邪魔なの。消えて?」
佐藤遥 「えっ…?」
バンッ
渡辺蛍 「えっ…?遥ちゃん…?」
あぁ。私は友達が欲しかったのだ。いつもなら人が横に来ただけで逃げてしまうのに。遥ちゃんが横にいたら少し、安心できた。あぁ。勇気を出して。友達になろう。一緒に逃げようと。言っていたら。REINNの言葉が嘘ということに気付いていたら…遅いか。もぉ。
十夢 「よし!バイバイ。蛍ちゃん。これで僕とまた、楽しい日々を過ごせるね。蛍ちゃん。」
ハッピーだね。今、僕は、蛍ちゃんは幸せだよ。


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