トイレ掃除の話
自分は学生の頃から一人暮らしを始めた。
トイレは毎日使うし、毎日汚れる。
「水廻り」の一つなだけあって結構汚れる。
ただ、自分のズボラな性格故か、台所のシンクや洗面台と違って、決して毎日掃除しない場所になってしまっている。
それでもトイレ掃除をする時に毎回思い出す物がある。
10年前、自分がまだ義務教育を受けていた頃に流行った曲だ。
トイレの神様
レコード大賞を取ったり、本を出版したり、ドラマが出たりと、多くの人が一度は耳にした事がある作品だと思う。
10年経った今、もう一度その曲に耳を傾けると、やっぱり当時とは違う観点で歌詞の意味を捉える事が出来ると思う。
たかが、10年。されど、10年。
義務教育を受けていた当時とは打って変わり、自分で働いて収入を得て生活する社会人になった。
歌詞やストーリーと同じく自分も歳を取った。
この曲が有名になった当時、この曲を聴いた時に「毎日トイレ掃除をする!」って気持ちは正直、湧かなかった。
今となっても、毎日掃除しようなんて思えたりはしないが、それでもたまの掃除の時には毎回この曲を思い出す。
そんな誰かの記憶に残るって、音楽の素晴らしさのひとつなんだと勝手に推察しては感情が高まったりした。
少し話が逸れたが、自分がこの曲を思い出す、「トイレ掃除」だか、あまり頻繁にしない癖に、割と好きだ。
「綺麗になるという充実感」
「人が嫌がる事をする達成感」
トイレ掃除という誰もが経験するであろう事だが、そのひとつにおいても、ひたむきな気持ちに神様は微笑んでくれるのだと、今更ながら勝手に考えたりする。
風水的にも、水廻りを綺麗にする事は良い事であるとも言われている。
なので、自分はパチンコに行く日は毎日トイレ掃除すると決めている。
逆説的ではあるが、トイレ掃除しなかった日の方が負ける日の事が多い。
つまりはそういう事なのだ。
神は実在しており、自分たちの行動の一つ一つを見てくれているのだ。
そんな事を思う夜だ。