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あなたの最期にそばにいる人は誰なのか

こんにちは、終活ライフケアプランナーの植咲えみです。
先日、支援していた末期癌の女性がお亡くなりになり、その時に感じたことをお話ししたいと思います。

今回のポイントは自分の最期に誰がそばにいてくれるのかということですね。
「遠くの親戚より近くの他人」と言う言葉もあるように、その方の最期にそばにいたのは中学時代の友人でした。

支援していた方をA子さんとします。
A子さんは独身で、前期高齢者ではありますがまだフリーランスで現役のお仕事をされている方でした。親族とは連絡をとっておらず、数人の親しい友人が彼女の交友関係でした。インターネットやメールも使いこなすキャリアウーマンといった印象でしたが、おひとりさまだった彼女は癌をきっかけに終活を考え私に相談をしに来ました。

相談に来てから1年半くらい経った頃、体調が悪化し入院しました。いったんは自宅に帰ったものの、一人暮らしが怖くなったA子さんから相談を受け、私はホスピスを探しました。入ったところはホスピス型住宅というところで、一応自分の家という扱いなのですが、併設された訪問看護が1日に何度か訪問します。食事も食堂で食べるわけでもなく、ずっと一人で過ごす時間が長かったと思います。食欲も落ち、だんだんと食べれるものが減ってきました。

ある日お見舞いに行くと、とても嬉しそうな顔をしているA子さん。
もう誰にも会いたくないと言っていたにも関わらず、そんな状況で会いに来てくれた友人がいたのです。そのご友人をB子さんとします。親しいと思っていた友人たちが会いに来ない中、B子さんはA子さんを献身的に支えてくれました。

もちろんホスピスの職員の方もとても素晴らしく、頼りにはなるけれど、あくまで契約上の話。個人的にお見舞いに来てくれるB子さんの存在がなんと心強かったことか。他の親しい友人たちの中には、本人が誰とも会いたくないと言っている以上、今会いに行って良いのか分からず、距離を置いてしまった方もいたと思います。でも決して会えなくてもいいとは思っていなかったはずです。それでも、「誰か助けて」という彼女の本心を察して、強引にでも会いに来て、最期まで寄り添ってくれたB子さん。彼女にとって最期に話しをした人になりました。

自分の最期に誰がそばにいてくれるのかというのは本当に分からないものです。家族ではなくても困った時に親しい誰かがそばにいてくれるというのは、とても心強いことですよね。終活をして事務的なことの心配は無くなったとしても、本当の心のつながりはお金では買えません。

心のつらさや身体的な苦痛を含め、痛みには四つの側面があるとされています。

①身体的な苦痛
②精神的な苦痛
③社会的苦痛
④スピリチュアルペイン

そして、これら四つの側面の苦痛は相互に影響し合い、ひとつの痛みがさまざまな痛みを引き起こします。このような考え方を、トータルペイン(全人的苦痛)と言います。

信頼できる誰かと話ができることは、苦痛が消えるわけではなくても少し心が軽くなることもある、A子さんの表情を見てそんなふうに思いました。

さて、自分の最期には誰がそばにいてくれるのでしょうか。
日々の暮らしの中で少しだけ誰かを大切に思う気持ちを忘れずに生きたいですね。

お読みいただきありがとうございました。
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植咲えみ
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