『ルイの9番目の人生』1月20日~公開
http://louis9.jp/ ★★★★☆ 原題:THE NINTH LIFE OF LOUIS DRAX
見立てた予想の上をいくルイ少年の9番目の人生、その顚末
故アンソニー・ミンゲラ監督が目指したベストセラー小説の映画化を息子マックス・ミンゲラが受け継ぎ、ダニエル・ラドクリフ主演『ホーンズ 容疑者と告白の角』を手がけた鬼才アレクサンドル・アジャのメガホンでついに実現した心理サスペンス。
キーパーソンとなる小児昏睡のエキスパートをジェイミー・ドーナンが演じているのですが、これは彼でなければならなかったという感じ! しかも、ラストは父親役のアーロン・ポールにほろほろと泣いてしまいました。
あらすじ
愛らしくて賢い少年ルイ・ドラックス、9歳。難産で生まれた末、0歳のときから毎年事故に遭ったり、食中毒になったりと幾度となく生死の境をさまよい、9歳の誕生日には海辺の崖から転落。奇跡的に命を取り留めたものの意識不明の重体に陥ってしまう。小児昏睡の専門医でルイを担当する医師パスカル(ジェイミー・ドーナン)は昏睡状態のルイを救うために奔走する。
しかし、転落事故からこのかた父親ピーター(アーロン・ポール)は行方不明。憔悴しきった母親ナタリー(サラ・ガドン)のもとには差出人不明の警告文が届く。さらにパスカルも、幼いころと同じように夢遊病や恐ろしい悪夢に悩まされるように…。
原作はイギリス人作家リズ・ジェンセンによる「ルイの9番目の命」。
「ブレイキング・バッド」アーロン・ポール目当てではあったのですが、大満足でした。元ボクサーの飲んだくれの父親。
ジェイミーもカリスマ性があってハンサムな医師の姿は、ファンもおそらく大満足だろうと思います。サラ・ガドンもまたこういう役が似合う。Netflixの「またの名をグレイス」、まだ観ていないんだな。
転落事故以前に、ルイが通っていた児童心理カウンセラーには「シカゴ・メッド」で精神科医のチャールズ先生を演じているオリヴァー・プラット。
何より、聡明で、時に大人を小ばかにするようでいて、どこか精神の歪みを感じさせるルイを演じたエイダン・ロングワースくんが素晴らしい。「X-ファイル2016」ではモルダーたちの息子を演じています。
なぜ、ルイはそれほどまでに危険な目に遭い続けるのか。自傷か、虐待か…。いろいろと緊迫感を煽ってくれます。
こんな不穏な気持ちにさせられたのは『シークレット・オブ・モンスター』のトム・スウィート以来かも。