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『ミッドサマー』結局は、女性賛歌とは言い過ぎでしょうか 2/21(金)~公開中
原題:MIDSOMMAR ★★★★☆
本来苦手なジャンルではあるものの、アリ・アスター監督が来日時に「失恋映画」であり、「ホラー映画ではない」と繰り返し、「ダークコメディであり、民間伝承モノ」と語ったことから気が変わりました。
しかも主演は2020年、飛ぶ鳥を落とす勢いのフローレンス・ピュー(以下、ピュー子)ですから。
確かに失恋映画です。かなり悪趣味な。
気持ちの悪い色彩美とプロダクションで、気持ちの悪い撮り方しちゃって(褒めてます)。
そして、ピュー子最強説はここにも。まず今作によってピュー子に落ち、『若草物語』でそのギャップにやられ(でも強いけれど)、『ブラック・ウィドウ』でさらに追い討ちをかけられる、というのが今年の映画ファンのデフォルトになるだろうと思います(やはり最強)。
『ファイティング・ファミリー』も4月22日にリリースされます。
思えばオスカーの授賞式にリプリーことシガニー・ウィーバーと、キャプテンマーベルのブリー・ラーソン、ワンダーウーマンのガル・ガドッドが並んで注目を集めましたが、その背後の先頭に控えているのは彼女なのです。
不慮の事態で両親と妹を失い、天涯孤独になった主人公ダニー。民俗学の博士号を取りたい彼氏クリスチャン(ジャック・レイナー)ら友人たちが、スウェーデンの山奥のコミューンで行われる90年に一度の祝祭に誘います。
この時点で、自身の喪失や悲嘆、罪悪感に寄り添ってほしいと思っていたダニーと彼氏の間には大きな気持ちのズレがあります。
もうこのカップルは終末期。
キスすらしません。
さらに「何だよ、その女性蔑視はー」と思った序盤の男子たちのやりとりが後になって効いてきてゾワゾワします。
ある意味、ダークコメディというのも納得で、何かが起こりそうな不穏さを抱えた漆黒の吹雪の夜とは対照的に、太陽が沈まない白夜の明るすぎる野原で繰り広げられる、あまりにもな光景には何度か吹き出してしまいました。
だいたいにおいて、祭りとは傍から見れば時に暴力的であったりするもの。また、民俗学的にも女性が優位だったり、トップに立ったりする集団は古来からの存在しますものね。
結局は、女性賛歌なんじゃないかというのは言い過ぎでしょうか。
上の写真の慟哭のピュー子も女子会あるある(!?)の光景かも。
ピュー子をはじめて認識したのは、クリス・パインのNetflix映画『アウトロー・キング~スコットランドの英雄~』ですが、調べてみたら待機作すごいと思ったのが2018年秋のこと。
今こそ彼女が注目された『Lady Macbeth』の公開・配信を待っています。