『ファースト・マン』D・チャゼルの偏執ぶり炸裂(しすぎ?)。IMAXで観る月とクレア・フォイは最高。 2019年2月8日(金)公開
原題:First Man ★★★★☆
ライアン・ゴズリングがデイミアン・チャゼル監督との再タッグで、月面に降り立った最初の男に。IMAX必須案件。臨場感がものすごく、ブリキの箱で宇宙に行くってこういうことなのか、と手に汗。私は乗り物酔いしやすいので若干、酔いました。
資料を見てまずハッとしたのが、ルイ・アームストロングたちが月へ行ったときよりも遥かに優れたコンピュータが、今、あなたのポケットに入っている、という言葉。(昨日は繋がらなくなったけれども!)
そんな、スマホとは比べものにならないくらいのアナログさで大気圏を抜けて宇宙へ飛び出し、月へと向かい、降り立ったなんて信じられません。
それまでにはいくつもの命が犠牲になり、巨額の税金も投入されてきました。
そこに求めたロマン、夢。そこに思いを馳せる気持ちは理解できますが、今、どちらかといえば自分たちの足元があまりに不安定で、地に足をちゃんとつけていないと明日どうなるかも分からない現在を生きている者としては、あまりにもそのロマンが、夢が、野望が壮大であります。
『セッション』『ラ・ラ・ランド』ときて今回は随分と大きなスケールではあるものの、宇宙飛行士もかなり孤独な人種、実はかなりミニマムな世界に生きており、しかも、姿の見えないフレッチャー(『セッション』鬼教官)のような存在に常に追われてるようなもの。
爆音響く宇宙へ行くまでとは打って変わって、月面では完全な静寂、完全な無音、漆黒。その描写が素晴らしく、やはりIMAXで堪能いただきたいと。
また、ちらっとだけ登場しますが、アームストロングたちの背後には『ドリーム』で描かれたような女性たちが数多くいたことにも思いを馳せます。
発表になったばかりの第76回ゴールデン・グローブ賞には、アームストロングの妻ジャネットを演じたクレア・フォイが助演女優賞に(イエス!)、そしてチャゼル監督の盟友でありずっとコンビを組んでいるジャスティン・ハーウィッツが作曲賞に『ラ・ラ・ランド』に続いてのノミネート(納得)
特にクレア・フォイはNetflix「ザ・クラウン」以来、映画部門では初めてかしら。『蜘蛛の巣を払う女』も控えていますが、大きなスクリーンでも啖呵を切ります!
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