『さよなら、僕のマンハッタン』カラムやばい、としか思ってなかった。4/14~公開
映画鑑賞メモ
原題:The Only Living Boy in New York ★★★★☆
マーク・ウェブ監督が『(500)日のサマー』よりも先に映画化したかったという、“10年越し”の青春ドラマ。
主演を務めるのは、「ハリー・ポッター」の新シリーズ第2弾『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』で、エディ・レッドメイン演じる主人公の兄役に抜擢されたカラム・ターナーです。
今年は『君の名前で僕を呼んで』のティモシー・シャラメ一筋かと思いきや…
BBCドラマ「戦争と平和」や『グリーンルーム』などで知ったカラムがグイグイと株を上げていて、本作に関しても、
「カラム、やばい」「カラム、かわいい」と、ほぼ全編にわたり心の声が止まりませんでした。
「エディに似てる!」とハッとするようなシーンもあったり。
「大人女子」という訳のわからない言葉がまかり通る昨今ですが、「少年」とはいつまでが「少年」なのだろう?、いつか“卒業”しなければならないときが来るのだ、と改めて考えを巡らせました。
煮え切らない人生への嘆きが、ある瞬間、解放されるとき、
少年は少年から“卒業”できるのかな…。
カラムはそんな主人公をとても繊細に演じており、マーク・ウェブ監督は音楽やアート、懐かしのニューヨークの面影とともに成長する少年の姿を切り取ります。
地味だけれども、前半の会話をよく噛み締めて観ていてほしいと思います。
また、私は世代的にも「パーフェクト・デイ」(ルー・リード)がかかると、字幕も目に入らなくなってしまうほど、何だか魔法がかかってしまうようです。
本作もまた、一種の魔法から覚めた少年の成長物語なのでしょうね。
奇しくも拝見したその日は、カラムの母親役のシンシア・ニクソンがニューヨーク州知事への立候補を表明した日でもあり、ニューヨーク愛を本作からも感じました。
ところで。
『Darkest Hour』に『ヒトラーから世界を救った男』との副題がついてしまうことと同じなのか、
本作も「マンハッタン」を入れたいのね、
「ニューヨークの少年」よりもね、と思った次第です。