『ビューティフル・ボーイ』堕ちては上がり、また堕ちて…ティモシー・シャラメが薬物依存をこれでもかと体現 公開中
9キロ体重減ガリガリにやせたティモシー・シャラメが熱演。ドラッグ依存、そのほかの依存症も上がって下がって、クリアになっては沈んでの繰り返し。そこを容赦なく描きます。
原題:Beautiful Boy ★★★★★
ティモシー・シャラメは現代の財産。同世代の『ある少年の告白』『ベン・イズ・バック』のルーカス・ヘッジズと並んで、大切にしていきたい!と強く思います。本当に素晴らしい!
離婚した父と母の間を行き来する主人公ニックに、父がかけた「I love you more than everything(すべてをこえて愛してる)」から生まれた二人にとっての合い言葉「Everything」に涙します。
ティモシーが演じたニックは、無事に成人して現在ではNetflix「13の理由」の脚本家として活躍していることは知っていても、
彼はいつ死んでいてもおかしくなかったのです…。
「13の理由」の中でも登場人物のひとりが薬物依存に陥る様子がしっかりと描かれています。
そうして感じたのは、かつてリヴァー・フェニックスなどもそうやって死んでしまったのだな、と思える容赦のない薬物依存の実態。
ラリっていることは、なんてみっともない。人間らしさ、彼らしさを消してしまう。
スティーブ・カレル演じる、ジャーナリストである父もまた、「私の知るビューティフル・ボーイが消えてしまった」という悲しみ、怒りがほかならぬ息子自身へと向かってしまうのです。
しかし、ニック自身のせいでは決してないのです。
彼は依存症であり、それは病いなのです。
その治療をしなければなりませんが、
施設に預けて、はい、お願い、治してきてねってわけにはいかないんですよね。
R15指定ですので、例えば高校で、教材として見てもいいのでは。
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