『THE GUILTY/ギルティ』今度は【音】だけが頼り! 『search/サーチ』と並ぶ傑作 公開中
これまでも数々描かれてきた電話がカギとなるソリッドシチュエーションものでありながら、今まさに知ってほしいこと、理解されてほしいことがテーマに。
罪ほろぼしって、できるのでしょうか?
英題:THE GUILTY ★★★★★
緊急通報指令室のオペレーターが少女誘拐事件を追うハル・ベリーの『ザ・コール[緊急通報指令室]』や、電話ボックスに閉じ込められるコリン・ファレルの『フォーン・ブース』、携帯だけを持ったまま棺の中に閉じ込められるライアン・レイノルズの『[リミット]』、高速を走るBMW内が舞台のトム・ハーディの『オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分』なども、電話の会話がカギとなる物語でした。
こちらはデンマーク発、「112」緊急指令室のオペレーター、アスガーが主人公となり、電話からの声や周囲音だけで誘拐事件を解決していく。しかも、その場からは離れられない、というソリッドシチュエーションもの。
できることは限られています。狭い部屋(司令室)の中で、電話とPCの前で
一体、彼はどれだけのことができるでしょうか?
その想像力を極限まで働かせるしかありません。
第34回サンダンス映画祭では、あの『search/サーチ』(NEXT部門)と並び観客賞(ワールド・シネマ・ドラマ部門)を受賞するなど、高い評価を得ています。
これは面白かった!
なるべく予備知識を入れないで見てほしいとは思いますが、
いやぁ…正直
お母さんツライ。
コール音が鳴り響くさなか、あるいは着信を待つ無音のさなか、私たちは主人公アスガーとともに先ほどまでの会話、これまでの経緯を反芻し、整理しようとするのですが、撮り方やあざといほどの音響の効果もあり、
アスガーの主観に否応なしに引っ張られるようになっております。
やがて、たどり着いた誘拐事件の真相、これがママとしてはツライ。
罪ほろぼしとは、本当に心が軽くなるのでしょうか?
正義とは? 後悔とは? 懺悔とは?
誰かを本当の意味で、助け、救済することなどできるのでしょうか。
最後に見えた(聞こえた)のは、たぶん希望だと思いたい。
そんな本作が、ジェイク・ギレンホール主演+『ナイトクローラー』『セッション』のチームでハリウッドリメイクされることに。
分かっていても楽しめる、かな!?
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