『新聞記者』確かに問題作、フィクションを冠したノンフィクション 6/28~公開中
https://shimbunkisha.jp/ ★★★★☆
松坂桃李とシム・ウンギョン、日韓で圧倒的人気と実力を持つ2人が、それぞれの立場から真実を暴こうとするリアルを超えたフィクション。
『サニー 永遠の仲間たち』『怪しい彼女』で人気を得たシム・ウンギョンは、2017年に日本のユニマテと契約を結んで日本での活動を始めました。ユニマテといえば、安藤サクラ、東出昌大、門脇麦、『愛がなんだ』で最注目の岸井ゆきのに、蒔田彩珠、井ノ脇海、岡山天音、山田真歩などなど、日本映画・ドラマに確実に爪あとを残してきた、そして残すであろう猛者揃いです。好きな俳優、女優ばかり。
そんな彼女が、原案となった「新聞記者」の著者・望月衣塑子記者のようなトップ下新聞社会部の記者に。
父は日本人の新聞記者、母は韓国人、アメリカ育ちというルーツを持って日本で記者となっている女性です。
一見、控えめな印象を与えますが、記者としての矜持に火が付いたときの瞳は、さすがの彼女。秘めた情熱と、とてつもない覚悟を感じさせます。
そして彼女とあるきっかけで出会う、外務省から内閣情報調査室に出向中というエリート官僚を松坂桃李が演じます。彼も本当に素晴らしい俳優になりました(シンケンジャーからの付き合い…)。
よくぞ出演した。
この政権維持のための世論操作を行う、通称・内調の実態がもっとも想像で描かれているパートのはずですが、フィクションとはとても思えないという…。
否が応でもモリカケ問題、伊藤詩織さんの性的暴行事件、それについてのメディアの姿勢を想起させる上、
その作られる新設大学の実態は、今の政権なら十分にあり得そうであり、やはり、とてもフィクションとは思えない…。
しかし、ふと考えてみると『バイス』のようなパンチやひねりはあったのか。そこにいたらずとも、これが問題作と称され、干されると心配するような現状のほうが、ヤバいのではないかと。
シム・ウンギョンなら、対極的な役回りながら『ザ・メイヤー 特別市民』などもリアルにつくられています。
映画館は松坂さん目当てなのか、若い女性の比率が高め。彼女たち、しかと目にしてほしいと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?