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『ザ・ピーナッツバター・ファルコン』映画から生まれた特別なきずなが映画を超えた 公開中
原題:The Peanut Butter Falcon ★★★★☆4.5
アカデミー賞授賞式にプレゼンターとして登場したシャイア・ラブーフとザック・ゴッツァーゲンの2人。その微笑ましいコンビネーションのきっかとなった本作。映画を超えて続いている関係性が、すばらしいなと。
もともとはダウン症のザックの「映画スターになりたい」という夢を叶えるべくスタートした企画。
高齢者のための福祉施設で暮らしていた(身寄りがなく行政に押し込められていた)主人公ザックが、プロレスラーになる夢を叶えるために脱走、
ちょっとやそっとのことでは埋め切れない喪失と罪と悲嘆を抱えた漁師のタイラーと繰り広げるロードムービーです。
ビジュアルはこっちのほうが好きです。
シャイア・ラブーフは最近は問題行動ばかりが多くて、すっかりお騒がせ俳優の1人となっておりましたが、本作の撮影中にも飲酒トラブルを起こしたところ、ザックに一喝されて自ら更生施設に入ったといいます。
施設でのザックの親友(演じるはブルース・ダーン)が言う、「友達は自分で選べる家族」が沁みます。
“問題を起こした”漁師のタイラーとふとしたことから出会ったザックは、まず彼に名前を尋ねます。
相手を気にかける、まずそこから始まっていく友情。当たり前の優しさ。
さらに涙腺を緩ませるのが、タイラーが荒れる原因となったのが、飲酒であり、兄の存在があったこと。
その兄を演じているのがジョン・バーンサルなんです。『フォードvsフェラーリ』でも好評ですが、何でしょうか、「ふたりが兄弟、優しく面倒見のよい兄」という構図が納得しかなくて
ブラッド・ピットの戦争映画『フューリー』でも、同じ戦車の中の“兄弟”みたいな関係であったことを思い出しました。
ザックが夢見ていたことが現実になりました。アカデミー賞では、タキシードを着て、劇中で培った友情そのままにタイラー役のシャイア・ラブーフと共にプレゼンターも見事に務め上げて。シャイアもほどよくフォローしていて。映画を離れても続くような、撮影の中で生まれた関係性は、スクリーンからも伝わってくるものです。