『ある少年の告白』ジョエル・エドガートンら信頼のおけるメンツが描く大切なこと 公開中
俳優としてはもちろん、映画監督としても信頼がおけるジョエル・エドガートンによる、ある少年とその家族の胸の内への真摯なアプローチ。やっぱり信頼に値する。
原題:BOY ERASED ★★★★★
ジョエル・エドガートンに、応援している若手俳優のひとりルーカス・ヘッジズ
そしてニコール・キッドマンとラッセル・クロウ
信頼のおける俳優たちが集結、さらにこの映画で描かれる意義に賛同して加わったトロイ・シヴァンやグザヴィエ・ドランというアイコン的才能たちも。全員がすばらしい。
丁寧に、尊厳や意志というものを無視した“矯正”にさらされるルーカス演じる主人公ジャレッドの心情に寄り添っていきます。
劇中ではジャレッドこと、原作の回想録を記したガラルド・コンリーが目にしてきた“口外禁止”の同性愛矯正プログラムと、いま現在でも約70万人がこうしたプログラムを受けている事実、その点にも驚きます。
また、きっかけともいえる件、レイプされる新入生は何も女子学生に限ったことではありません。
何だよ、ジョー・アルウィン(今年大活躍!)の演じたあれ、ヘンリー。
あれはまさに犯す者の論理では。
僕はゲイで、あなたの息子であることには変わりない。それはいくら、たとえ神の教えが、消そうとしても変わらない。ならば、変わるのはどっちだ? というメッセージ。
ジョエル・エドガートンは監督・脚本・製作、加えて矯正プログラムの指導者サイクスも演じています。
彼のサイコスリラー『ギフト』も大好きですし、割ととんでも映画の部類だと思う終末映画『イット・カムズ・アット・ナイト』だって嫌いじゃない。信頼しています。
本作ではルーカス君と組み、Netflix映画『The King』(配信未定/年内)ではティモシー・シャラメと組みます。私がもし若手俳優のエージェントだったら? 絶対に一度は、共演もしくは出演させたいと思う俳優であり、映画作家です。
ところでNetflixの「クィア・アイ」ってご存知ですか? いつも朗らかなのに、教会を前にした途端、別人のようになってしまったボビー(インテリア担当)のことを、この映画のエンドロールでは思い出していました。
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