エミリー・ブラントが華やかに歌って踊る『メリー・ポピンズ リターンズ』、何だかんだバンクス家の再生物語 2/1(金)~公開
原題:Mary Poppins Returns ★★★★☆
王道です、およそ半世紀ぶりの続編としても最高。
エミリー・ブラントってすばらしい女優ですよね。
『プラダを着た悪魔』はもちろんのこと、『オール・ユー・ニード・イズ・キル』では体を鍛えてアクションにも、『ボーダーライン』ではデル・トロさんに翻弄されるFBIエージェントを好演しました。
『ヴィクトリア女王 世紀の愛』や『アジャストメント』『砂漠でサーモン・フィッシング』、ビル・ナイとの『ターゲット』も結構好きです。
そして夫ジョン・クラシンスキーとの共同作業となった新感覚ホラー『クワイエット・プレイス』では、近年まれに見る壮絶な出産シーンを熱演!
同作か『メリー・ポピンズ~』でオスカーノミネートあるかも、とちょっと期待していたのですが、大変残念です。
同性人気も高く、愛され女優の1人です。
せっかくの初来日も、『万引き家族』と大ヒット中『ボヘミアン・ラプソディ』のノミネート入りで、ちょっとかすんじゃったかも。
奇しくも、朝ドラ「まんぷく」でも不景気だの、差し押さえだの、という話題があったばかり。本作でも前作から20年後、世界的な大恐慌の時代が舞台となります。
妻を亡くしたばかりのマイケル(ベン・ウィショー)と3人の子どもたちとが暮らすバンクス家は、期日にまでに支払いができなければ持ち家を手放すことにーー。
銀行へ向かう人々はみな、真っ黒い傘に暗い色のコートで、そんな時代を象徴しています。
そんな中、再び傘を差しながら空から降りてきたメリー・ポピンズ(一瞬、GotGのあの人を思い出してしまったことは大きな声では言わないでおきます…)
そして、妻の死、母の死という悲嘆の中にいる一家に、カラフルな魔法で少しずつ希望をもたらしていきます。
ジュリー・アンドリュースという偉大な先人とかつての物語を尊重しつつも、エミリーが演じるからこそ、ツンとしていても温かくて、より親しみや母性を感じられるメリー・ポピンズだったと思います。
第一、あれほど踊れるとは思っていませんでした! 9週間もレッスンしたというダンスシーンは必見です。
リン・マニュエル・ミランダは、さすがの貫禄!
メリル・ストリープも、相変わらず濃い(いろいろな意味で)!
コリン・ファースは今回のヴィラン!
ベン・ウィショーさんも相当歌えます。やはりバンクス家の再生の物語となるので、ウィショーさんの存在がグッと物語を身近なものに感じさせてくれますね(何たってパディントンだから)。
ジェーン役のエミリー・モーティマーもキュート。
重要な子どもたちも、このキャスティング力はさすがディズニーのなせるワザなのかなと。
あと、彼らのセーターやジャケットが色合いから形から、いちいちかわいいのです!
衣装はサンディ・パウエル。エミリーの出世作の1つ『ヴィクトリア女王 世紀の愛』など3度のオスカーを獲得している彼女が今回も候補になっており、『女王陛下のお気に入り』とWノミネートされています。
さらに、前作でバート役を演じたディック=ヴァン・ダイクに関しては、思わず拍手を贈りたくなるほど!
楽しい気分と厳しい現実を交互に見せ、関連させていく巧みさ。
最後には幸せな気分で劇場を後にできるミュージカル。そんな王道が好きな方は多いと思います。
『ボラプ』にどれだけ迫れるでしょうか。
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