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『アリー/ スター誕生』単純なスター誕生の物語だけじゃない! 12/21(金)~公開
原題:A STAR IS BORN ★★★★☆
レディー・ガガとブラッドリー・クーパーらが丹念に作り上げたサウンドトラックは、全米チャート3週連続1位、全英チャート1位、さらに世界81か国のiTunesで1位と、『ラ・ラ・ランド』や『グレイテスト・ショーマン』超えのペースで売れているそうな。
スター誕生の物語だけじゃない!
こんな短期間に、これほど良質の音楽映画を堪能できるとは…。
ある男とある女のラブストーリーでもあります。その点は、1976年の『スター誕生』とも同じ。
ただ、トップスターの座にいながら、アルコールにおぼれ転げ落ちていく者と、彼に見出されスターへの階段を駆け上がっていく者という
単純な構図だけでは決してありません。
ジャック(ブラッドリー・クーパー)とアリー(レディー・ガガ)の音楽的背景、家族との関係などに多くの対比があり、軸となる物語の枝葉の部分がとても繊細に作り込まれていて、
そこに心を動かされるのです。
2人が歌う楽曲が、そのときの心情を歌い上げます。
ガガは、冒頭近くのシーンでは驚くほどに自信なさげ。彼女自身の半生が、どうしたって重なります。
そして、2人を取り囲む熟練キャストたちもすごくいい。
しかも、
生録音
というステージでのパフォーマンスは、この映画が、あくまでステージの上に立つ者の物語である、として表現が徹底されているんです。これには、思わず唸りました。やるなぁ、ブラッドリー。
また、2人の愛の表現で象徴的なのは、お互いに触れることなんです。
お互いの髪や頬、手、愛しいものに触れるその映像がものすごく素敵。
やるなぁ、ブラッドリー。やるなぁ、ガガ。
『グレイテスト・ショーマン』のようにロングランしそう。
アカデミー賞各部門、特に歌曲賞にも絡んできそう。
レディー・ガガについては、Netflixのドキュメンタリー『Five Foot Two』もオススメ。アルバム「ジョアン」製作の裏側や、新たな伝説をつくった2017年NFLスーパーボウル・ハーフタイムショーに至るまでのガガに密着。持病のまさかの実態も明かされます。
ブラッドリー・クーパーが監督するワーナーブラザーズの映画が決まった、と本作についても語っています。
合わせてぜひ。