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『Merry Christmas!~ロンドンに奇跡を起こした男~』こんなダン・スティーヴンスが観たかった!プラマーさんも最高 公開中
原題:The Man Who Invented Christmas ★★★★☆3.8
原題は「クリスマスを発明した男」で、名作「クリスマス・キャロル」の誕生秘話を描いたちょっぴりダークさもあるファンタジー。「クリスマス・キャロル」を書いたころのチャールズ・ディケンズを演じるのはダン・スティーヴンス!
そして彼が生み出した有名なキャラクター、スクルージを演じるのはクリストファー・プラマー!
ディケンズに創作の芽を与えた父親には「ゲーム・オブ・スローンズ」ハイスパローことジョナサン・プライス!
今も読み継がれる名作「クリスマス・キャロル」の創作の裏側には、ディケンズ自身のトラウマ的な少年期の体験や父親との確執があったことが、テンポよく、笑いも交えて描かれます。いえ実際は、とても笑えることではないのですが…。
クリストファー・プラマーのスクルージ! ゲティ氏に続いてハマリ役。というか、こちらの方が先ですね、またも世界で最も有名な意固地な守銭奴に。ナイトキャップがお似合い。
ダン・スティーヴンスのディケンズは、その碧眼についつい見とれます。
ときに気難しく、ときに調子の良すぎる躁うつな長髪マシュー風(ダウントン・アビー)。
スランプに陥り、ヒット作から遠のき、生活が困窮する中ででき上がったのは、自らの闇・暗黒時代と向き合い、父への愛憎を昇華させていったからこそ生まれた傑作でした。クリスマスに互いに慈しみ合うことを、図らずも提唱することになった、そんな男を演じる姿を楽しめます。
できれば字幕で、魔法のように飛び交う(?)イギリス英語で観たかったのですが、「分かりやすい」を極めた超訳吹替版を招待で拝見。たしかに分かりやすい。
スクルージの声を務める市村正親さんは舞台で何度も演じているので、まあ素晴らしいですし、小野大輔さんもよくイケメン俳優役をやられますからね。わざわざ「メリー・クリスマス!」とつけただけにファミリー向けにしたかったのかもしれませんが、できれば字幕で再見したいところ。このキャストからいっても、字幕で観たい方は多そう。
スクルージの相棒、マーレイ(幽霊)も「ゲーム・オブ・スローンズ」のメイスター・ルーウィンことドナルド・サンプターという誰得感もあり。
ちなみに、頭の中で考えている小説の登場人物が、うようよ、ぞろぞろと実体化されていく様は、あの『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督も短編『恋する小説家』で描いています。