『神と共に』2部作、アメコミ映画を意識した第一章から怒涛のヒューマンミステリーの第二章へ 公開中
英題:Along with the Gods: The Two Worlds ★★★★★
人命救助のさなかに死を向かえた消防士ジャホンの前に突然現れたのは、3人の冥界の使者カンニム、ヘウォンメク、ドクチュン。
彼らは、49日間で7つの地獄の裁判が行われる冥界での弁護士兼ボディガード。生前の善行が認められたジャホンは19年ぶりに現れた「貴人」として、現世への転生が確実視されていたが…。
地獄に相次いで異変が起き、消防士ジャホンの知られざる過去が明らかにされていき……
シリアスな感じと思いきや、ユーモアもたっぷり。貧困や格差拡大、兵役での問題点など、社会的視点も盛り込みつつ、
笑い泣きで楽しみ、結果的には今年、劇場で一番涙した映画となりました。
これはすごいとしかいようがない。
スペクタクルの地獄描写の上にキャストの豪華さもあって、スクリーンに釘付け。
3使者を演じるのが、それぞれハ・ジョンウ、チュ・ジフン、キム・ヒャンギという世代を代表する人気俳優で
消防士ジャホンには『猟奇的な彼女』で知られるチャ・テヒョンなどなど、まあオールスターです。
韓国のアベンジャーズって言っていいと思います。
ただのアイドル俳優ではない、EXOのD.O.(ド・ギョンス)もとてもいい。
めちゃくちゃ、アメコミ映画を意識して作っているな~と思っていた第一章。+ロード・オブ・ザ・リング、ハリー・ポッター風味。
ところが第二章では一転、
スペクタクルとサスペンスの後に、一気にエモくきた第一章と違って、序盤からマ・ドンソク演じる屋敷神が語る、3使者の因縁が、そうではないかなとある程度予測していたにしても、想像以上にエモさが勝っていました。
地獄を巡るアクションエンターテイメントとしての色はそのままに、3使者たちが自らの因果と縁を紐解くヒューマンドラマとしての見応え。
ストーリーは重層的で、1000年前の過去と現在
冥界と下界を行き来する映画の構成は、冗長と言わればそうかもしれませんが、これくらいクドいほどに描くからこそ、登場人物への理解と愛着がいっそう深まる、というもの。
まさに因と縁、全てを知った上で誰かの罪を赦すのは、それこそ愛あればこそ。
血ではなく、義で結ばれた者たちの
赦しと救いの物語となっておりました。
第一章と第二章はいわば『インフィニティ・ウォー』と『エンドゲーム』のような関係。
第二章見たその足で、第一章を再見したくなります。
そして『コンフェッション』や『アシュラ』から気になっていたチュ・ジフンに、本格的にハマッタ…。