ユースセンター起業塾から、地方のユースセンターコミュニティが生まれた話。
2024年10月24,25日、「コミュニティギャザリング」という名のユースセンター起業塾最終研修合宿が行われた。
場所は、カタリバ中野newオフィス。
2022年4月から始まった休眠預金を活用したユースセンター起業塾があと半年間で、終わりを迎える。
ユースセンター起業塾とは、3年間で1500万円、助成と経営支援を、地方で10代のための秘密基地をつくりたい団体が受けられる仕組み。
認定NPO法人カタリバとNPO法人ETIC.が事務局となり、運営してくださっている。
(▼PressRelease/10代の子どもの居場所を全国に。「ユースセンター起業塾」事業創造コース第4期の団体公募スタートhttps://www.katariba.or.jp/news/2024/12/10/46488/ )
私たちは、2021年秋、公募を見つけ、応募し、見事、一期生として採択いただいた。(歓喜の涙)
そして、2022年4月から約2年半、人口1万人の岩手県岩手郡岩手町にて、ユースセンター作りに取り組んできた。
私たちの他にも、13団体が採択されて、全国津々浦々でユースセンターづくりに取り組んできた。
北海道、青森、福島、石川、佐賀、岐阜、香川、広島、鹿児島、、、
人口規模は様々で、私たちのように1万人規模もあれば、金沢市45万人、唐津市11万人といった中核都市で活動する団体もある。
元々、福祉領域で活動していた団体もいれば、探究やマイプロに取り組んでいた団体もいれば、地域づくりの団体もある。
数年前からやってきている団体もあれば、これを機に立ち上げた団体もあった。
共通点としては、「地方から」「10代のための秘密基地づくりを」「これから始める」「リーダーシップを持つ」団体であるということ、だったと私は認識している。
背景は多様だし、運営者の年代も様々だけど、ユースセンター起業塾1期が始まった当初から、
私は何だか「仲間感」を感じていた。
小さな町で、どう考えても経済的合理性の外にある非営利の居場所の事業を始める。
言葉は悪いが、、、やっぱりどう考えてもシンプルに頭のネジが数本外れてる変人たちだと思う。笑
はじめっからわかっていた。
3年間の助成金終了後、どうやって継続させるんだろう?
継続だけじゃない、小さな町で”ユースセンター”なんて横文字、地域の方々に受け入れてもらえるんだろうか?
そんなのいらない、って言われる可能性だってある。
たとえ良い居場所やプログラムを作ったって、交通の便が悪い地域の10代は自らアクセスすることもやはり困難だ。
はじめっから、3年間、そしてその先も、いばらの道だって、わかっていた。
それでも、地域の10代のために、やるんだ。
そう覚悟を決めて、無謀な挑戦に挑むユースセンター起業塾の1期生は、最初っから仲間だった。
あれから2年半が経ち、先日の最終研修合宿。
地方のユースセンターの現状が明らかになった。
経営面、居場所の面、ユースワークの面、多種多様だった。
2年半のプレゼンテーション、ユースの変化、地域の変化、素晴らしい活動だった。
一方で、まだ解決できていない課題も多々あった。
地方のユースセンターの一つの正解を探して、私は取り組んできていた。
でも、多様でいいんだと、現状を受け入れることもできた。
カタリバの代表今村久美さんからも、1期団体に向けて、少し先に始めた先輩として、メッセージがあった。
「10代のためのプログラムを作ることは簡単だけど、地方において、届けることって本当に大変ですよね。そういう悩みを聞けて、事実なんだとやっぱり思いました」
「必要だと思ったから始めた。でも、やっぱりやってみると届けるのが難しくてやめる。何人も辞めていった人たちを見てきました。みなさんどんな心境でしょうか。」
「でも、10代に届かないからって、ニーズがないわけではないんです。トー横の問題。地方からも多くの10代が集っている。私たちの取り組みはトー横に負けている現状なんです。」
「今みなさんが取り組んでいる地域で一人が、苦しいとか辛いとかって言える場所にアクセスできたことによって、大丈夫なんだって気づけるっていうのは、本当にそれ自体が価値だと思います。」
「この”10代の居場所”っていうテーマを、このチームが諦めたら、日本中誰も取り組む人がいないっていう問題になってしまう。なんとしてでも無くさないで欲しいっていうのが私の願いです」
「みなさんと一緒に、10代の居場所をどうしたら届けられるかを考えていく仲間として、これからも一緒にやっていけたらと思っているので、頑張ってください。」
私が走り書きしたメモだとそんな感じで久美さんがお話ししてくださった。
2年半前、カタリバやETICと仲間だったかと問われると、
資金分配団体と採択団体の関係性だったというのがリアルだったような気がする。
でも、この2年半で、1期の団体はもちろん、カタリバやETIC.とも仲間になれた。
こういった人たちが日本全国津々浦々にもっと増えて行ったらいいと思っている。
私はすべての10代に居場所と選択肢がある社会に向けて、ユースセンター作りに取り組み、広げていきたい。
研修の終わり、たくさん握手した。久しぶりにたくさんハグした。
普段、日本全国各地、それぞれの場所にいて、なかなか会えないからこそ、直接顔を見れたこと、言葉を交わしたことが嬉しくて。
また会える日はいつだろうと思うから、名残惜しくて、また強く手を握った。
やって来たことがある。さらなる挑戦を応援しようと、出会ってくれた人たちがいる。
取り組みはこの先変わっていくだろう、でも、その人たちと共有して来た時間や出来事は変わらず、ずっと今の私を支え、これからへの勇気をくれる。
その人たちとの関係性も、この先形を変えながらも、末長く続いていくことを願っている。
ユースセンター起業塾ありがとう!
日本全国、地方の小さな町でも、ユースセンターがある未来を目指して、これからもよろしくお願いします。
最後に。現在、第4期の募集をしています。
「10代の居場所作りたい!けど、やり方もわからないし、資金もないから難しいだろう。だけど、やりたいんだ、、!」
そんな稀有な小さな町の方がいれば、とてもおすすめなプログラムです!!ぜひ、一歩踏み出す勇気を、小さな町で活動する仲間の一人として、応援しています!!
(▼PressRelease/10代の子どもの居場所を全国に。「ユースセンター起業塾」事業創造コース第4期の団体公募スタートhttps://www.katariba.or.jp/news/2024/12/10/46488/ )