バランスシートの理解の仕方:負債、資本の考え方(資金調達から考える)
負債、借金は悪!
とも言い切れないところがあります。
というのは銀行からの借入金を上手くすれば節税効果が期待できるから、です。
また株主からの資金調達にもデメリットがあります。
どんなデメリットかといえば、株式の希薄化のリスクです。
当たり前ですが、株主から資金調達をする、つまり新規の株式発行をすれば株価は値下がりするリスクがあります。
値下がりしないためにはどうしたらよいのか?
答えは簡単です。
「こんだけ儲かりそうだ!」ということをPRすればいいわけです。
これをエクイティストーリーといいます。
ですが・・・
結構難しいです。
投資家がこの成長ストーリーに期待して投資をしてくれるかどうか。
そこに公募による増資(新規の株式発行による資金調達)はかかっています。
さらに株主を満足させるだけの成果を上げる必要があります。
満足・・・つまりペイオフ、株価値上がりによるキャピタルゲイン、配当によるインカムゲインが必要になります。
この成果が十分に得られなければ株主は早々に見切りをつけて株式を売却してしまう可能性があります。
一方で、借入金は楽です。
決められた額を借りて、返済計画に基づいてお金を返していけば何も干渉されません。
タダより怖いものはない。
資本による調達は返済がない、だけ、経営に介入されるリスクが付きまといます。
プレッシャーが半端なくなります。
と考えると、上場の時は新規の株式を募集する(持ち株を放出する)ことが必要になりますが、その後は新規の発行は行わない、とする考えを持っている企業はかなり多くあります。
では、何のために上場したの?
となるわけですが、上場することは企業のステータスを上げてくれますので、そのために上場するというケースもあります。
また上場前に出資者が存在しており、その出資者の要望で上場が求められることがあります(いわゆるエグジットというやつです)。
資金調達を巡る企業経営者と出資者との目に見えないストーリーが負債・資本サイドに表れている・・・かもしれませんよ。