緩やかに全てを受け入れる土壌がある:龍津寺の子ども寺子屋
小島・龍津寺(りょうしんじ)の子ども寺子屋に視察兼お手伝いに行ってきました。
一度行ってみたかった子ども寺子屋!
土曜子ども寺子屋(TERAKOYA)
地元小学校と連携して開催しております!
毎月2回開催されている寺子屋は、教育的な知識だけではなく人として「生き方」を学習します。学生さんやボランティアさんにより運営されています
龍津寺に小学校のお子さんたち、幅広い学年の子供たちが集まっています。1~5年生で、30人弱が集まっていたと思います(数えそびれました)。
今回は、私が視察に行くよ、といったところ、3名の学生が参加してくれました。
子ども寺子屋が始まる時間は早く8時半から。顔合わせや意識合わせがあるので8時15分には来てくださいね、と勝野和尚に言われていたので、朝寝坊しないように・・・とドキドキしながら前日は寝てました。
なんせ、学生をピックアップするといった手前、私が寝坊したら、シャレにならない・・・と思ってましたから。
さて、学生たちは8時過ぎには現地に着いてまして、私も学生さん一名を草薙駅でピックアップして8時10分前には到着しました。
余裕をもって着けてよかった。思ったより道が混んでましたしね。
さて、今回のスタッフ(ボランティア)は、社会人のボランティアの方、常葉大経営学部、静岡大学の地域創造学環、そして静岡県立大学経営情報学部、順天堂大学の看護学生さんとそのお姉さん(看護師)に、引率で来ていた静岡大学の教員、そして私というメンバーです。
子ども寺子屋では、最初に寺子屋の先生方に
『心がけて頂きたい事」という決まりが配られます。
〇こうだといいな
・見守り・傾聴
・受容・認める
・対等・平等
・待ってあげる・安心させてあげる
・ひとりも取り残さない。
・目の前の非Þ歩にとって良い環境になる。
×避けてほしいこと
・押し付ける・決めつける
・封建的・上から目線
・空気を読ませる
・最後まで話を聴かない
・脅して言うことをきかせようとする
・待たない・認めない・不安にさせる
・スマホに頼る・帽子をかぶったまま
誰かが怪我を師匠な危険なことや、心に傷を負わせるようなひどい言葉があったら、ちゃんと叱っていただければ幸いです。その後のフォローもお忘れなく。
うーん。私が気を付けないといけないことは、
見守り、傾聴、受容、認める、待ってあげる、
かな。つまり相手のテンポに配慮せずにやってしまうところがある気がしています。この点は注意しないといけないな、と改めて感じました。
上から目線 押し付ける、決めつける、
のも要注意ですね。先生、先生と言われてつい調子に乗った気持ちにならないように、気をつけないと、ですね。
さて、心がけを読んだり、名前カードを作ったりしていると、子供たちが集まり始めます。
集まったところで、お寺さんではきちんとご挨拶してから始まります。
瞑想をして、その後、論語のお話から入ります。
今日のお話は、
「巧言令色、すくなし仁」(上手に飾り過ぎた言葉や、上辺ばかりに恰好を付けた表情の人には、仁が欠けているのです)
「得は弧ならず、必ず隣有り」(得(正しいことが出来る力)を身につけた人は、一人ぼっちにはならない。近くに住んで親しんでくれる人がきっと現れるものだ。)
の二つでした。
どちらも私たちが生きていく上で大切なことを教えです。
こうした心がけを日々実践していくことが、大事ですね。
その後、白隠禅師 座禅和讃、日々の教えをみんなで読み上げ、さて、子供たちは自分たちが持ってきた宿題を各々にしていきます。
大学生+社会人のグループもそれぞれに分かれて子どもたちを見ていきます。
子どもたちも先生たちも自然と惹かれ合うようにそれぞれにあった先生方についていた気がします。
これはとても不思議でした。
勉強の進度はそれぞれ異なりますが、みんなその時間の中では楽しそうに、誰一人嫌がることなく進められていました。
和尚さんが言っていましたが、勉強をやる、というよりは、この場に集まって、みんなでコミュニケーションを取る、同じ時間を過ごすということを重視されている空間作りをされている気がします。
子どもたちもみんなリラックスしてその時間を過ごしていました。
子ども寺子屋はいわゆる塾ではありません。
達成目標を測ることも、出来ていない子供を注意することもしません。
見守る、楽しく学ぶということが重視されます。
バリバリ勉強するということも時に大事でしょう。
でも子ども寺子屋で重視されているのは、人としての生き方であったり、心構えでしょう。
(勉強が終わった後はみんなでお楽しみの時間です!)
居心地のよい空間
一定のルール、決まりごとの上に、ルーティンがあり、その枠の中で、みんなが自由にリラックスして時間を過ごせる。
コミニティに大事なのはこうしたことなのではないでしょうか。
その後、オンラインで、龍津寺の近くにある、特別養護老人ホームの白扇閣とを繋いだ「知っているようで知らない白扇閣さんのことを聞いてみよう」も開催されました。
(みんな集中して真剣な眼差しで聞いています!)
驚いたのは、みんなきちんと座って話を聴いていたこと!
小学校低学年の子供たちにとって人の話を黙って聴くということが出来るのは凄いことです。
またちゃんと質問もしていました。
これが学校だったら、○○さん静かにしなさい!と言っているところですね。
でも一切そうした場面はなかったです。
なぜ、子供たちがちゃんと座って話を聴けるのか。
それは子ども寺子屋では、安心感があり、人の話を聴くときは聴かないといけないという決まりが浸透してているから、なのでしょう。
それを無理やりやらせるのではなく、自律的に行っている。
こうした姿が印象的でした。
ここで学ぶ子供たちは、人生においてとても大切な生き方を学んでいるのではないでしょうか。そして私もそんな子供たち、参加したボランティアの先生方(大学生+社会人の皆さん)、その雰囲気を作り出している和尚さんと龍津寺そのものの存在から、多くのことを学んだ気がします。
こうして言葉にしていてもなかなか伝わらないことかもしれませんが、とても素敵な時間を過ごすことが出来ました。
河津桜がとっても綺麗でした。見頃を迎えているようですね(少しピークを過ぎているようですけど)。