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「会計力=お金に対する説明力」である:豊かな人生を生きるために会計を学ぼう

会計を覚えて投資をしたいです!

という学生からの相談を受けます。

私は常に言っているのですが、

会計を覚えても直接投資の力は身につかないとは思います。

もちろん、会計力を高めることで、企業業績を読み取る力が身につきます。

これが投資判断には役立つという点はあります。

ただし、投資判断を行う為には、経営学(経営戦略、組織論、ガバナンス)などと合わせて、コーポレートファイナンス、必要に応じてマーケティングなどの知識が必要でしょう。

コーポレートファイナンスは特に投資の有無を考える上で最重要な分野です。この分野は、『企業価値を最大化』することを目的とした企業活動に着目し、最適な資金調達し、事業投資し、資金の返済や還元について考えていく行きます。

コーポレートファイナンスは、企業の外、つまり投資家の視点から考えるのか、それとも内部、企業経営者の視点から考えるかで視点がやや異なるでしょう。

ただ、いずれの視点においても企業価値最大化という目的は明確であり、そこが核、つまり中心にあります。

企業価値を最大化するということは、投資家からすれば自らが得ることが出来るリターンがその分だけ大きくなるということです。

なので、コーポレートファイナンスへの理解を深めることで投資判断の有無がしやすくなる、ということです。

では、会計を学ぶことにどういった意味があるのでしょうか?

会計の特性を考えてみる必要があります。15世紀の北イタリアで複式簿記が誕生した当時から現在に至るまで、会計は自分たちの経済活動を説明する、ためのツールでした。

会計には、経済的活動を記録し、それを伝達する機能が備わっています。そのためのルールや方式が会計では定められています。

商売の財政状態、経営成績の状態が正確に記録されていなければ、取引先は踏み倒されるリスクを恐れて取引をしないかもしれませんし、お金を貸す際にも怖くて貸せませんし、投資・出資の判断も出来ないでしょう。

皆さん、想像してみてください。

帳簿がない、もしくは不正確な組織はどんなところだと思いますか?おそらくいい加減に記録され、どんぶり勘定になっているのではないでしょうか。

当然、会計の記録の方式は、第三者がみて分かる方法が望ましいことは言うまでもありません。ただし、社内でしか活用しない記録もあります。その経路で社内の生産管理の共有情報ツールとして、発達してきたのが管理会計、原価計算です。一方で、企業外部の関係者への共有情報ツールとして、発達してきたのが財務会計です。

管理会計であり、財務会計であれ、経済活動を「記録」し、「伝達」する行為という、その本質は変わることはありません。

管理会計においては非財務尺度、つまり貨幣、お金によらない記録も重視されることはありますが、やはり、会計の記録の中心は「お金」でしょう。

企業がどういった活動を行い、どの程度の儲けがあり、借金があるのか・・

これらのことをお金で説明し、記録しているわけです。

そう考えるとシンプルに思えませんか?

お金はシンプルな測定値であり、変幻自在です。トランプでいうところのジョーカーといってよいでしょう。

現金として持っていることもありますし、お金と引き換えに資産を購入したり、お金を得るために借金をしたり、出資してもらうこともあります。そして、経済活動を通じて得た結果もお金に換算した『利益』という形で表されます。

会計のルールを学ぶことを通じて得られるのは、自分たちの活動をどのような形でお金という形で説明するのか、その説明力である、といってよいでしょう。

昔も今もお金というものと向き合うことなしに私たちは人生を生きれません。私たちの人生を豊かにするために会計を一緒に学びませんか。

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