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株式を買うのではなく、事業を買うのである。


「株式を買うのではなく、事業を買うのである。」

「事業を買うつもりであれば、事業の内容を知らなければならない。」

の第一章(18ページ)に書かれている言葉です。

なかなか痺れる言葉ではないでしょうか?

つまり、株式の購入は単なる紙切れの購入ではない、事業の評価を行わなければならない、というのがペンマン先生の主張です。

熟練したアナリストは、事業ごとの特性をよく把握しています。そもそも事業ごとの特性によってベンチマークとなる指標も異なりますので、事業を知らずに評価を行うことは出来ません。事業を深く理解していれば、より確信をもって評価を行うことができます。

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戦略とバリュエーション(評価)を考えた場合、

その企業は何をしようとしているのか。

企業は自らどのような価値を生み出そうとしているのか。

その戦略が導く帰結は何か。

などについて知る必要があります。もちろんその戦略とその評価の目的は企業内部と外部のアナリストで異なります。企業内部のアナリストはその戦略が価値を生みと考えた場合に選択されれます。アナリストとして、将来の事業戦略評価と経営者が意思決定するための情報提供を行うことがゴール(最終目的)となります。

企業外部のアナリストは戦略分析が出発点になります。そのためには代替戦略も把握し、投資している企業の戦略変更(買収の可能性も含めて)を予測し、創出・喪失の両方を価値評価する必要があります。

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そのためには事業と事業環境の詳細を理解することが重要になります。大別すると6つの要素ですね。

・企業の製品・サービスを把握する。

・企業の製品・サービス提供の必要技術を把握する必要があります。

・企業のナレッジベースを知る。

・業界における競争の程度

・経営者を知る。

・政治、法律、規制、倫理についての環境を知る。

内部環境だけでなく外部環境も知ることが大事ということですね。

これは別に新しいことではなく、どこの本でも書いているような話です。企業は外部との繋がりなしに付加価値を生み出すことは出来ません。となると必然的に外部環境に依拠することになる訳です。内部環境と外部環境の相互作用に注目すべき、ですね。

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