自動車業界の生命線となる主要な販売地域:日産の追記も含めて
さて、これまでトヨタ、ホンダ、日産、スズキ、SUBARUの第3四半期の結果を見てみました。
今回の分析は、短時間、30分程度の時間で行い、その範囲で分かることを書くということを徹底して行いました。
短い時間でも分析するトレーニングを毎日するのは大切、と感じます。
毎日見ていて気付くことは多いですね。
さて、自動車メーカーに絞って、かつ第3四半期を中心に分析を行いました。
ここまでの分析から分かったことは何でしょうか?
自動車メーカーは、生産と販売網が生命線であり、メーカーによって強い地域が異なる、ということです。
地域という観点で考えれば、北米エリアで強いのは、トヨタ、ホンダ、SUBARUでした。
なかでもホンダ、SUBARUは国内を上回り売り上げを北米エリアで出しています。
そして、インドで強みを発揮しているのはスズキです。スズキがインドで強いとういことは、引退した鈴木修氏によるところが大きいと言われています。
車は文化そのものともいえます。となると、スズキはインドにおける車文化に上手く溶け込み、不動の地位を確保したとも言えます。
車に対するイメージは固定されやすく、日本においてBMWやメルセデスベンツなどが高級車としてのプレゼンスを持っているのと同様ですね。
さて日産に関する追記ですが、北米エリアで強みをもつのがトヨタ、ホンダ、SUBARUとすれば、日産も同様・・・・なはずなのですが、その北米エリアで販売不振に陥っています。上記は2020年第3四半期の結果です。この時点でも収益率が悪化し、特に北米エリアでの事業が悪化していると言われていました。
販売奨励金による値引き、さらにはラインナップの魅力低下・・・などの要因のせいかどうかは分かりませんがともかく売れていません。こちらコロナ禍における結果をみても明らかです。
売上高3,649,528⇒2,479,065と大幅に減っています。さらに、この四半期でも1,210,969⇒1,053,828、ですから前年に引き続き減少傾向にあります。
日産の北米エリアでの販売不振はすでに報じられているところですが、それに加えて、日本、ヨーロッパ、欧州、アジアでも大幅に減少しています。自動車業界で一人負け状態のような形になっている状況です。
では日産に復活の道はあるのでしょうか?
財務状況も悪化しており、やや厳しいというのが正直なところです。
ただ、電気自動車の開発についてはやや先行していた感もあります。この辺り、持続的な投資を行い、来るべき電気自動車時代において主導権を握れるか、というところはあるでしょう。
アップルカー生産を日産が?みたいな記事もありましたね。さて、この辺りを含めて起死回生の戦略も欲しいところです。
それにしても自動車販売は強い地域があれば、業績は安定しますが、強い地域の地盤が揺らぐととたんに経営基盤も揺らいでしまう。そんな業界であることも分かります。
地域に注目して分析すること、それが自動車業界の分析では大切ですね。