知的好奇心で繋がる多様性社会へ:区別しないコミュニティ〜ヒマラボ研究会を通した気づき〜
昨日(9月6日)は森田先生(福岡大商学部・准教授・一般社団法人ヒマラボ代表理事)をお招きしての勉強会(ヒマラボ静岡とのコラボ、スタートアップミィーティング第二回目)でした。
1. ヒマラボとは?
市民の探求心や研究的な姿勢を涵養し、
好奇心の毀損されない、
市民自ら新たな知を生み出す
「創造社会」の実現
がコンセプトにある団体です。
ヒマラボでは、究極の遊び=研究、であると捉え、
3つのRe(Research:研究する、Reflect:深く考察する、Release:その成果を発表する)を重視していいます。
キーワードは、研究「的」活動をしていくということです。
研究活動ではなく、研究「的」活動です。気楽に知的好奇心に従ってやりましょう!ということです。
これを広めることで社会を変えていこうということです。
つまり、一億総研究「的」活動ともいうべき取り組みですね(笑)。
2.好きなことには夢中になれる
このコンセプトに私も共鳴してヒマラボ静岡という学生コミュニティを今年から始めています。
細かいところは割愛しますが、ヒマラボに集まっているメンバーは実に多様な知的好奇心に溢れたテーマを持っています。
以下、ヒマラボ静岡のメンバーのテーマです。
「光源氏とジェンダー」
「数学の嫌いな人に数学を好きになってもらうには?」
「ドラッカーと経営学」
「資本主義の歴史:イギリスを中心として」
がヒマラボ静岡のテーマです。
本家の方のテーマも同じ。
「リアル謎解きゲームの試作と考察」
「部活組織の研究」
*他、たくさんあります。
面白いのはみんな嬉々として喋るということです。自分の拘りであったり、好きなこと、それは強制的にやらされる発表ではだせない持ち味です。
写真では、源氏物語について語り語り語りまくってます(笑)
3.知的好奇心と多様性
「これ分かってどうするの?」というテーマを、各人の知的好奇心に従い、あえてやる、その感じが面白いです。単にやるだけでなく、3つのReを重視ししながら、きちんとフィードバックを得ながら行うわけです。
これらのテーマの中には、学んで直接的に役立つこともあれば、そうでないものもあります。研究は直接貢献を考えることも重要です。ですが、こうした遊び心がある研究もまた大事、というか面白いということが気づかされますね。
もう一つ面白いのは多様なテーマでやっているということです。専門分野に特化すればするほど同質的な手段になります。これは専門分野において貢献をしようと思うと避けられないところです。会計学だったら、会計学の中で揉まれて、自分の研究を尖らせる。これ大事ですね。学術的には。
一方で、多様な集団が気楽に研究的活動を行うということも超専門家手段に足りないところではないか?とも感じるところです。つまり、多様なテーマを受容できる集団となる!ということです。
4.差別はないが、区別してないか?
私の方でイメージとして浮かび上がってきたのは、「差別はないけど、区別が日常的に行われているのではないか?」ということです。区別、すなわちコミュニティを分けてしまうということです。これは意図的に行われる場合もありますし、意図せずしてそうなる場合もあります。人は5人以上になれば、グループに分かれたり、仲の良い人と悪い人が出てきたりします。これはやむを得ない、というか当然ともいえます。ですが、それぞれのグループが完全に分かれてしまい、まったく交流になっていれば、まったく分断されていることになります。
これは別に日本でなくてもあります。海外の方が強烈かもしれません。高級住宅街とそうでない住宅街、外国人居住地域などなど、目にすることが多くあります。
区別している場合もありますし、区別される場合もあるでしょう。
人は誰しも異なる意見にさらされることに慣れていません。ですから、同質的な集団にいることが心地よく感じることは当然でしょう。ですが、時に、まったく異なる人たちと交流する機会もあっていいのではないでしょうか?学生と社会人、また考え方が異なる学生同士、人種の異なる学生同士、そしてヒマラボのように異なるテーマの研究的活動で結びついたもの同士、素敵だと思いませんか?
区別し、区別される分断社会ではなく、みんなが本当の意味で結びつく多様性社会へ。このヒマラボの活動はそこへの一つのルート(道筋)ではないか、と感じました。