台湾滞在期
台湾に旅行に行ってきたので、その雑感を書いておきます。
意外だったこと;キャッシュレスが浸透しておらず、現金が主な決済手段で、あとは悠々カード(Suicaのようなカード)を利用した決済、LINE Payなどが使われている。
アリペイが使えるシチュエーションはほとんど見かけなかった(中国本土で使われているもの)。クレジットカードが使える店は限定される。
通信環境は抜群に良い。ほぼどこでも5Gで繋がる環境。ともかくどこでも早く通信が可能。フリーWi-Fiスポットも多い。ここまで良かった国はちょっと記憶にない(シンガポールよりもこの点だけでは上?)
公共交通機関が安い:現地で悠々カードを購入し、300元ほどチャージして、その後100元チャージした。400元で、10回以上の公共交通機関(バス、地下鉄)を利用できた(残高は余った)。*1元=五円程度、と考えるとともかく移動が安い。
台北、台南については、一般市民はバイクで移動している人が多く、至る所にバイクが走っている(東南アジアあるある)。特に台南はバイクが多い。夕方は渋滞がひどい。ただし、インドネシア、ベトナムほどではないか。
走っている車は、そこまでタイプが古いものではなく、車に乗る人はそこそこお金をかけている? トヨタ車、VW、日産、ホンダなどをよく見かけた(トヨタ車は多かった印象)
建物が古い;明らかに建て替えをしていない、日本で言えば昭和な建物が多い。建物の入れ替えが進んでいない地区がある。アパートも総じて古い。これは台湾に地震が少ないせいもあるか。
貧富の格差;路上の物乞いの人はちらほら見かけたものの、ヨーロッパほどではない。路上生活者もそれほど多くない(低所得でもそれなりに暮らしていける?)。ただし、貧富の格差は大きい印象がある。
食べ物:屋台、あたりにある大衆店は安い!10〜20元ぐらいで十分食べられる。外食文化で、3食外で食べるのが当たり前のよう。
現地の大学院生(日本人)にヒアリング(というよりご飯を一緒に食べた)によると親日的と言われるが、そうでない人もいる(親日的な人とそうでない人の割合は半分半分ぐらいとのこと)。現地中国人と台湾人との不仲(現地大学での)。台湾人が本土の中国に対して抱いている複雑な感情も垣間見える。
歴史的な観点から:台湾(台南)は、倭寇の港でもあった。ここを起点に略奪をしていたよう。 17世紀に台南を領有していたオランダ人を追い出したのは鄭成功で、明に仕えていた武将であり、商人であり、海賊。台南では英雄視されている。鄭成功は長崎平戸の生まれで、父が中国人(漢民族)で、母は日本人。台湾は鄭成功による奪還後、欧州列強に支配されなかった(ただし、明治期に日本が侵攻し、植民地化)。台湾に移住したのは、清の侵攻に伴い移住した明(漢民族?)の住民。*鄭成功は清に対する明のレジスタンスでもあった。なお、台湾としての国家としての統一性が形成されておらず、日本は豊臣政権下で侵攻を試みるも失敗に終わる(台湾は高山国として安土桃山期には認知されていた)。徳川幕府の初期も交流しようとして紛争を起こし、失敗(担当した代官は責任を取らされて切腹しているよう)。
意外な点;先住民族が現存している(10以上)。台湾政府が認知している先住民族がおり、非認定も合わせると数多くいる(台湾の人口2000万人に対して2%弱)。日本は積極的に同化政策を進め(アイヌ民族等)たが、台湾は多様性、先住民族を保護する精神は強いか。台湾の先住民族はポリネシアン系。
産業として面白いのは半導体、先端テクノロジー分野;TSMCをはじめとした重要な部品を作る技術と工場を持っている。これが台湾の虎の子。
個人的にはお茶産業が面白い:台湾はお茶の産地として知られており、四季折々のお茶が取れる(年中取れるよう)。山間部で栽培をしており、この点は静岡とも共通点が多い(静岡茶も山間部で栽培している)。お茶の種類も多く、楽しめる。日本ではやぶきた茶一辺倒であるのと対照的。この辺りは今後の継続調査項目
都市としての均質性と不均質性:新しいものと古いものが混在して形成されているのが台湾(今回は、台北と台南を訪問)という印象。例えば、東京などは完全に都市化され、人工的な形で均質的になっている、もしくは完全に観光地化されているが、台北はそうでないものも多く残っている。一部リノベーションして観光地化している古い施設があるがかえって魅力がなくなっているのが面白い。
なお、前回の総裁選挙の投票率は70%以上と政治に対する関心は高い。この点は日本と大きな違い。
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