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宮古島1週間・避寒地への旅DAY3”呼ばれた島「大神島」へ”
避寒地への旅3日目。
今日は曇り空。少し寒い気がするが、それでも半袖Tシャツにデニムシャツで出かける。
天気予報によれば、小雨が降るかもしれないが、明日の方がもっと雨がひどいと知って、今日どうしても行きたい場所があった。
昨日バスが停まった「島尻港」から出ている、「大神島」へのフェリーに乗って15分。「神々が宿る島」「呼ばれた人が行く島」と書かれていた島への半日旅だ。
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昨日と同じく、平良からバスに乗って島尻港まで。ちょうどフェリーの出発時刻に合わせて到着する。切符売り場はまだ開いていない。同じバスに乗っていたおじさんは、透明のビニール袋に、お菓子やカップラーメンをいっぱい詰め込み両手に持っていることに気がついた。
大神島にはおそらく店がほとんどない。だから住民の人たちが、知り合いに頼んで買い出しをしてもらうのではないだろうか。ご近所同士で協力し合っているのかもしれない。
島ぐらしの一端を見た気がした。
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やがて開いた切符売り場で往復圏を買ってしばらく経つと、フェリーがやってきた。定員50名ちょっと。小さな車、バイクは乗せられるらしい。
私は早速乗り込むと、後尾のデッキ席に座った。ほとんどの人たちは、船内の温かい部屋へ入っていくが、私はどこの船に乗っても、ほとんどデッキに座る。その方が船に乗っていることを実感できるし、船が波飛沫を立てて進むのをみるのが好きなのだ。
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思い出すと、
厳島
小豆島
はての浜
竹富島
鳴門海峡
ニューヨークのクルーズ
シドニー湾クルーズ
ホノルルのクルーズ
どれもほとんどデッキに座って、船が進むのを見てきた。よほど寒い時以外は。
私と同じような人で、デッキ席はいっぱいになった。
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大した揺れもなく、フェリーが島へ到着し、およそ20人少しくらいの人が降りていく。
すると、犬の鳴き声がする。誰かが一緒に載せていた犬なのか、と思ったが、犬はひたすら私たち乗客に向かって吠える。見れば首輪がない。東南アジアで、道に迷い、首輪がない犬に吠えられ続けたあの恐怖を思い出した。狂犬病の注射はしてるんだろうか、とふと思ったが、ここは日本だ。何かしらはやっているはずだ。そう信じて、犬のそばを通り過ぎるが、犬は誰か他の人を待って吠えているらしい。
実はこの犬のことが印象的すぎて、別記事を二つ、そして小説を書いて、私的公募に応募中だ。
たった一匹の犬にこれほど影響を受けるなんて、初めてのことだったし、今でもとても不思議な気がしている。
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ここを目指す
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降りてくると、食堂のすぐそばにある「小中学校跡地」に入ってみた。
建物は何も残っておらず、広っぱだけになっているが、歩き回ってみると
記念碑などは残されていた。
ここで学んだ子供たちは、今どこにいるんだろう。
時々この島に帰ってくるのだろうか。
少子化時代には、学校の廃校や統合は避けられないが、やっぱり悲しい。
人が増えすぎても困ることも多くなるが、人がいなくなることは寂しい。
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食堂で食べた宮古そば。
ラフテーと天ぷらが、本当に美味しかった・・・
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「犬に教えられたこと」をご覧ください
島から戻ると、ちょうど良いバスがない。ある程度歩こうかと思ったが、雨が降り出していた。
そのため、タクシーを呼んでみると、来てもらえると言う。ホッとした。
なぜなら、以前訪れた与那国島での出来事が頭をよぎったからだ。
この旅では、電動自転車を借り、バスを併用して観光したのだが、帰りのバスの時間まで長すぎたので、島で一軒だけのタクシー会社に電話すると、出ない。後日聞くところによれば、この島にはタクシーが一台しかないらしい。
仕方なく、坂道を降りていると、一台の軽自動車が止まり、「どこまでいくんですか」と声をかけてくれたおじさんがいた。警戒心を持ちながらも、「さっきの場所で見かけたから」と、展望台でそういえば「こんにちは」と私は、人口の少ない島で怪しまれないように挨拶をしていた。その人か・・・
「僕はレンタカーを返しにいくけど、まだ時間があるから良かったら、いいところまで送りますよ」と言ってくれた。旅の情けは受ける。嫌な感じがしなかったので。
このおじさん、日本東西南北の最果ての地に行くことを目的にしている人で、与那国島は最西端である証明書を五百円で買える。そして与那国に来たことで、東西南北達成を果たしていて、その証書を見せてもらった。
証明書は空港の観光事務所で買えると聞いて、「空港までお願いします」と言って、私も買って帰ってきたのを思い出した。
この時のことは、こちらの記事に書いている。
だが今回は雨なのでタクシーを呼ぶと、十分程度でやってきてくれた。
「助かりました」と言うと、「大神島に行ってきたの?」と聞く。
「はい、すごく良かったです」と答え、「行かれたことありますか」と聞くと、「いや、ない」と言う。詳しくはおじさんは語らなかったが、宮古島の人にとって大神島はあまり気軽に行く場所ではなく、神事に関わる人でもなければ行かないように感じた。
私は、ピンと閃いて行ってきたし、とても不思議な経験をした。(ここには書けないことも実はある)「呼ばれた人が行く島」というのは、本当かもしれない。
夕食を軽く食べようと調べていた、「宮古横丁」まで連れて行ってもらったが、完全に観光客向けにできている、居酒屋のフードコート的な場所で、ガーリックシュリンプは少し味が濃かったが、誰もいない店内で南の島の雰囲気だけ味わいながら食べた。
この後、折りたたみの傘を持って、途中地元のスーパーというより、商店で「天ぷら」(いわゆる平蒲鉾のようなもの)を買って、ホテルへ戻った。
明日は一日雨かもしれない。
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いろんなお店が入っているフードコート形式
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島旅が好きだ。
寂れた島もあれば、観光地として成功している島もある。
私はどちらかといえば、寂れた島が好きなのは、島民の人たちの息遣いを感じるからかもしれない。たった数時間しか滞在しない、一生住むことがない旅人である私にとって、島の人たちの生活を垣間見ることができるのは、とても貴重な経験だからだ。
今思い出しても涙ぐみそうになる、あの島の思い出は、与那国島で「立神岩」を見に行った際、デジャブでこの土地にきたことがある、と初めての訪問なのに思ったのと似ている。
私はもしかしたら、いつの時代かに、沖縄の離島に住んでいたことがあるのかもしれない、という予感を強めている。
あの食堂のおばちゃんから聞いた話も、あの犬も、私がどれほど歳をとっても、記憶があるかぎり決して忘れない思い出になった。まさに「呼ばれた」のだと思っている。
続
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