![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/103400807/rectangle_large_type_2_70a564a6c30e54498b298b03badc2faa.jpeg?width=1200)
2.4 電子決済アプリ : 業務とシステムの関連性
最後に例にあげるのは、すこし特殊の例ではありますが、電子決済のアプリでの業務とシステムとの関連性です。スマホのNativeアプリはWebサイトとは異なり、htmlのコーディングを行う職種の人はおらずデザインを実装するのも直接エンジニア/プログラマという世界です。
![](https://assets.st-note.com/img/1681810363303-6bMgSN4y35.png)
a. 必要とされる業務理解
電子決済にもいろいろなタイプのものがありますが、基本的に、その電子決済のための各ユーザの残高などを管理する口座を各ユーザごとに設けて内部的には管理します。また、その電子決済用の口座に外部からお金をチャージする仕組みを用意します。そのため、外部の銀行やクレジットカード会社のサーバとのお金のやりとりを実現する必要があります。
また、電子決済を可能とするためには、お金を払うユーザ側にアプリを入れてもらいユーザ登録してもらうとともに、商品/サービスを販売してお金を受け取る店舗側にも登録してもらう必要があります(PayPayなどでもお店によって使えるところと使えないところがあるかと思います)。電子決済の運用サイドとしては、ユーザに対してはその電子決済を使用できる店舗を簡単に探せる手段を提供する必要性があり、多くの電子決済アプリでは利用可能店舗についてのメニューがあります。また、電子決済の運用サイドとしては店舗に対しても、ユーザに対して店舗をプロモート/案内する機能を提供する必要がありますので、特定のエリア/特定の店舗群などのキャンペーンを展開したり、割引クーポンを発行する機能をもたせることはよくあります。
![](https://assets.st-note.com/img/1681810452750-YxH2Nvj3Y5.png)
ある店舗・店舗群で利用可能な割引クーポンを発行する機能を構築するためには、まずは店舗マスタの登録管理機能が必要となり、店舗マスタとユーザDBを参照しながら割引クーポンを発行して電子決済時に割引処理がされる業務システムを構築することになります。
![](https://assets.st-note.com/img/1681810517754-UD6fvrhXgK.png)
b. 求められるシステム知識
スマホアプリの開発は、基本的には、iOSであればXcodeという開発環境の上でSwiftという言語でプログラム開発を行い、Androidであればandroid studioという開発環境の上でJAVAあるいはKotlinという言語でプログラム開発を行います。
しかし、もっと手軽にスマホのアプリを開発したいというニーズがあってさまざまな開発ツールが存在します。Xamarin / Flutterのような、iOSアプリとAndroidアプリをいっしょに作ることができるようなツールもありますし、プログラムを書かなくてもアプリを作ることができるというノーコードツールというものもあります。Yappliが代表的かと思いますが、Adaloなど無料プランでも利用できるツールなどもあります。ベースのデザインテンプレートを選択し、テキストや画像などの素材と搭載したい機能をマウス操作で追加していくだけでアプリを作成することができます。
※HTMLやJavaScript、Pythonなどを利用して、独自のデザイン編集や機能拡張を行えるツールもあります。
Yappliなどでは、アプリストアへのリリース申請代行や、集客・収益化のコンサルティングおよびセミナー開催など、アプリの運用支援もサービスとして提供されるので、自社オリジナルアプリを短期間・低コストで制作・運営することができます。
c. 本タイプ案件における業務とシステムの両面からのWeb構築
電子決済アプリのような外部システムとのさまざまなやりとりも実装する必要があり、電子決済機能や店舗管理機能などの特殊な機能を実装する必要があるアプリについては、簡単制作ツールを使わずにXcodeとandroid studioを使ったiOS/Androidアプリ開発となると思います。
また、業務面としても独自の業務をシステムとともに構築する面が強くなりますので、業務フローの検討・設計から手間をかけて行う必要がありますが、実際にシステムを実装した後の仮運用/トライアル運用期間の設定と、そのトライアル運用期間での利用フィードバックを反映した業務とシステムの見直しプロセスも盛り込んだWeb構築プロセスとなるかと思います。
Webディレクタとして次のステップをさがしている方たちへ
これからのWeb構築・Webディレクションとして、業務にまで踏み込んでディレクション/プロデュースすること、それが近年のバズワードであるDXにもつながること、そしてWebの進化とともにWeb構築の各種ツール/サービスやSaaSが広がってきていることにしたがって、業務とシステムの両面からWeb構築・運用していく人間が求められていくこと、そのためにどのような知識や能力を身に着けていくとよいかについて解説している「マガジン」です。