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6.1 ソリューション化 / 商品化とは

 システム / IT の分野では商品/商品カテゴリとして「〇〇ソリューション」ということばがよく出てきます。たとえば、Sier / システム開発会社の会社HPで商品一覧/サービス一覧ページをみると、下記のように「〇〇ソリューション」という商品名/サービス名/カテゴリ名が多数でてきます。

株式会社東芝 ソリューション・サービス


富士通株式会社 サービス > CRM

 システム/ITの分野で、上述のような文脈で使われるソリューションとサービスは似たような意味のものではありますが、「ソリューション」というと、通常は下記のようなものを指します。
 
a.     顧客がかかえているある分野の「課題」を解決するサービス/システム
b.     パッケージソフトウェアでもなくASP/SaaSのようなサーバシステムがすでに構築されているわけでもないことが多い
c.     通常、当該「課題」を解決するサービス/システムを構築した実績は有しており、その実績をもとにした知見をもとに、その分野の「課題」を解決するITシステムをある仕組みにて構築することができると案内しているのが「ソリューション」

 ある分野の類似課題を解決するITシステムを2,3事例構築した実績ができ、さらに同様のニーズがほかにも存在すると思われる場合に「ソリューション」という商品として提示するという営業企画活動をシステム/ITの分野では各社が行っています。
 以前対応したことがある案件と同様の業務のシステム化で、要件/制約も大きく異ならないためにシステムとしての実現方法も同じ方式ですむのであれば、もちろん少ない工数で対応もできますし、顧客にもいろいろな知見を提案段階/要件定義段階から提供することもできます。実績があり/知見をもっている分野を顧客にアピールするには、顧客視点で顧客が解決したい「課題」軸で提示するのが「ソリューション」といえます。
 業務まで踏み込んだWeb構築を行うのであれば、「業務」視点は一種の「課題」視点ですので、構築実績ができてきたら、ソリューションの観点でまとめて、会社HPや営業資料にまとめてソリューション化 / 商品化するという活動を行うのは、営業拡販のために重要でもありますが、どのような業務であればどのような仕組みでWeb構築するのが適切なのか、制約/条件と実現する仕組みの関係性の整理にもつながりますので、意識してもらうとよい観点です。


Webディレクタとして次のステップをさがしている方たちへ

これからのWeb構築・Webディレクションとして、業務にまで踏み込んでディレクション/プロデュースすること、それが近年のバズワードであるDXにもつながること、そしてWebの進化とともにWeb構築の各種ツール/サービスやSaaSが広がってきていることにしたがって、業務とシステムの両面からWeb構築・運用していく人間が求められていくこと、そのためにどのような知識や能力を身に着けていくとよいかについて解説している「マガジン」です。