4.4 ノーコードツールによるスマホアプリの構築
ノーコードツール/ローコードツールというのもいろいろなタイプのものがあり、できることとできないことがまちまちですが、スマホのネイティブアプリを「Adalo」のようなノーコードツールで制作する場合を考えてみます。Adaloは、クリエイター、ビジネスオーナー、創業者が、コードなしでカスタムWeb&モバイルアプリケーションを作成することを可能にするツールということで、Webサーバ機能 / DBサーバ機能はAdaloが提供する形態です。
スマホアプリの各画面やDBの項目をAdaloの管理画面上で規定していくだけでスマホのネイティブアプリが作れてしまいます。DBをもっているのでSNSのようなほかのユーザとのやりとりを行うアプリも作ることができますし、STRIPE決済にも対応しているのでECのようなアプリも作ることができます。ただし、ECの決済でもAdaloが対応していない決済を外部の決済事業者のサーバとの間のI/Fを実装して対応させるようなことは難しく、そのようなレベルになったら、ふつうのスマホアプリシステムの開発を行うことになるかと思います。
Adaloは「画面」「データベースコレクション」「アクション」を規定します。「画面」は各画面の画面要素を規定・配置して画面の見た目をまず規定するとともに、ボタン等の画面要素をタップした際のアクションを割り当てます。画面要素に紐づけることのできるアクションは別途「アクション」にて定義されている必要がありますが、アクションとしては下記のような処理を規定することができます。
a. 画面遷移先を設定する
b. データを新規作成する/更新する/削除する
c. 外部サービスに連携する
b.のデータに対する操作は、あらかじめ「データベースコレクション」にて規定されたデータに対する操作を指定することができます。
また、アプリテンプレートやUIキットというものがいろいろすでに用意されていて、これらの中から選択することにより、いちから「画面」「データベースコレクション」「アクション」を規定する必要がなくなります。
つまりアプリで取り扱うデータ項目・画面レイアウト/デザインおよび画面操作に対するデータ項目の変化としてのアクション/処理を規定すれば、あとはノーコードツールの管理画面にてそれらの「画面」「データ」「アクション」を規定していけば、スマホのネイティブアプリでも作ることが可能となります。
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