5.1 営業業務 (Web構築に密着に関連する業務その1)
営業に関する業務知識として、Web構築で関係することがあるものは、たとえば見積書・請求書・納品書などの発行業務です。見積書・請求書・納品書の発行業務は多くの人がたずさわる一般業務です。さまざまなSaaS・ツールも存在しますので、一からこのような機能をシステム開発することはめったにないと思いますが、MAツールのフォーム機能を用いてMAツールの中で見積書や請求書などの作成をできるような設定/対応をするようなことはあるかと思います。そのような場合に、見積書・請求書・納品書などはどのような項目を記載できる必要があって、付随する処理として承認ワークフロー・捺印手続き・売上見込みの集計などの業務があり得ることを把握していることは、MAツールの中で見積書や請求書などの作成をフォーム機能で対応するための見積もり工程・要件定義工程で重要となります。
また、BtoB企業の会社HPあるいは製品紹介サイトなどにおいて、製品特徴をアピールして見込み客をWebからの問い合わせとして獲得したいという目的のWeb構築を行う場合なども、当該製品に興味をもってサイトを訪れてくれた見込み顧客はどのような用途でどのようなスペックの製品を探していて、どのような観点の情報を求めていて、どのような内容を伝えると問い合わせをしてくれるのかというターゲットユーザ像が重要となります。別の表現の仕方をすると、営業担当者が営業時にどのようなタイプの顧客候補であるかをどのように判断していて、そのタイプ別にどのような情報をどのような順番/シナリオで伝えようとしているのかがわかっていれば、見込み顧客からの問い合わせを多数得られるWebサイトにすることができると思います。可能であれば、BtoB企業のホームページリニューアル設計を行うにあたっては、その企業の主要製品がどのように顧客に選ばれているか、顧客はどのような観点で競合他社の製品と比較しているかなどを、その企業の業界の一般情報から調べておくと、より高いパフォーマンスの要件定義・設計ができると思います。
Webディレクタとして次のステップをさがしている方たちへ
これからのWeb構築・Webディレクションとして、業務にまで踏み込んでディレクション/プロデュースすること、それが近年のバズワードであるDXにもつながること、そしてWebの進化とともにWeb構築の各種ツール/サービスやSaaSが広がってきていることにしたがって、業務とシステムの両面からWeb構築・運用していく人間が求められていくこと、そのためにどのような知識や能力を身に着けていくとよいかについて解説している「マガジン」です。