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6.3 定期的なデータ集計・データ分析報告

 継続的なWeb運用を安定的に行っていくに際しては、システムの正常動作の確認のほかに、データ処理量の定期的な集計やユーザのWebアクセス傾向の分析などを定期的に行うことも必要とされることがあります。
 たとえば、マルチベンダによる開発を行っていて、他社が担当しているサーバからデータ連携を受けているような場合、そのデータ連携量が増えていくと、ある水準以上では処理しきれなくなる可能性があります。そのような可能性がある処理がある場合には、定期的に処理量をモニタしておく必要があります。自動的にモニタ/集計できる仕組み・アプリケーションを実装できれば人手での集計は必要ありませんが、定期的に行うといっても月に一回程度で十分な場合には、アプリケーション開発をするよりも人的に対応することも多く、サーバログ等から毎月、決まった手順で集計を行い報告を行うような形態となります。
 
 Webサイトのアクセス分析は会社HPやECサイトをはじめ、一般ユーザ向けのWebサイトであれば必ず行う、Webサイト運用に必須の業務かと思います。一方で、社内の業務システムとしてのWebの場合には求められないことも多いかもしれません。しかし、Webサイトのアクセス分析はWebページにGoogle Analyticsのタグ(トラッキングコード)を入れる等をしておくことにより、無料でユーザのWebサイト利用動向を確認することができますので、基本的にはWeb構築する際には少なくとも無料のGoogle Analyticsタグなどは入れておくのがよいと思います。各種イベントの計測までできるように設定せずとも、Google Analyticsのアカウント作成・プロパティを設定してトラッキングコードを確認してWebページに貼り付けるかGoogleタグマネジャーに設定をするだけでも、各Webページのアクセス数や各ページから次にどのページにどれだけの割合のユーザが遷移して、どのWebページで離脱している割合がどの程度いるのかというユーザ動向はモニタできるようになります。
 
 業務まで踏み込んでWeb構築を行っているのであれば、どのようなユーザがどのような業務を行うためにそのWebサイトを利用する想定であるのかは把握できているはずですので、それが実際には想定通りかの確認を行うことがアクセス分析により可能となります。
ある程度以上のページ数があり、各ページのナビゲーションを使ってさまざまなページ間遷移を行うことができるようになっているWebサイトであれば、想定しているユーザ行動があっても、実際には違う行動をとるユーザが想定以上いたりすることはよくありますので、アクセス分析できるように設定しておくのが好ましいと思います。


Webディレクタとして次のステップをさがしている方たちへ

これからのWeb構築・Webディレクションとして、業務にまで踏み込んでディレクション/プロデュースすること、それが近年のバズワードであるDXにもつながること、そしてWebの進化とともにWeb構築の各種ツール/サービスやSaaSが広がってきていることにしたがって、業務とシステムの両面からWeb構築・運用していく人間が求められていくこと、そのためにどのような知識や能力を身に着けていくとよいかについて解説している「マガジン」です。