乳児ボツリヌス症
こんにちは。
私には今、生後2か月の子がおります。今は母乳を飲んでいますが、あと2~3か月が経過した頃には、離乳食も始めなければなりません。栄養やアレルギーなど注意しないといけないことが様々あるかと思います。本日は、注意しないといけない事の1つ「乳児ボツリヌス症」について書きたいと思います。
1 歳未満の赤ちゃんは、ハチミツを食べてはいけないということをご存じでしょうか。これは、ハチミツにボツリヌス菌が入り込んでいる可能性があるためです。市販のハチミツにも、5%程度の割合でボツリヌス菌が入り込んでいます。
大人がボツリヌス菌入りのハチミツを食べても何も起こらないのは、腸内細菌がボツリヌス菌との競争に勝つことができるためです。しかし、赤ちゃんの腸内環境はまだ整っておらず、腸内でボツリヌス菌が毒素を出しながら増殖してしまうため、「乳児ボツリヌス症」になってしまうことがあります。
実際に、国内では2017年に蜂蜜を原因とする乳児ボツリヌス症による死亡事故が発生しています。この事故で死亡した男児は、家庭で離乳食として市販のジュースに蜂蜜(1日当たり約10グラム)を混ぜたものを(約1カ月間、1日平均2回に分けて)与えられていました。
ちなみに、厚生労働省のHPによると、1999年以降乳児ボツリヌス症として医師が報告した事例は日本国内で16例あります。しかし、この16例のうち2017年の死亡事故以外は明らかなハチミツ摂取歴はありません。ボツリヌス菌は土壌、湖沼などの環境中に広く分布しているので、その他15例は環境中からボツリヌス菌を摂取してしまったと考えられています。
ですが、乳児ボツリヌス症発症の原因として因果関係が明らかな食品はハチミツであるため、乳児を持つ親ができることは、ハチミツを食べさせないようにすることです。
ボツリヌス菌が厄介なところは、通常の加熱では死滅しない特徴を持っていることです。ハチミツを加熱してもボツリヌス菌が死滅することはないので、乳児に食べさせてはいけません。
この乳児ボツリヌス症に関するある保健所の調査では、乳児ボツリヌス症の予防に関する認知度は65.3%と報告されています。
乳児ボツリヌス症の死亡例はまれです(米国では死亡率は1%未満)ので、正しく注意することが必要なのではないかと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!