【お天気コラム】春一番
こんにちは ウエノです。
毎週月曜日はお天気コラム。
まずは先週の天気を振り返ってみましょう。
1.先週の天気~1か月分の雨が1日で~
天気は周期的に晴れの日と雨の日が入れ替わりました。福岡地方では、中旬まで雨が少なく少雨記録を更新するかに見えましたが、月末にまとまった雨が降って終わって見ると平均降水量の68ミリには届かないものの、1ヶ月の降水量は54ミリと平年並みでした。
しかし、肝心の貯水率は、ほんのちょっと回復した程度なので、夏に向けてもっと雨が降って欲しいところです。
2.今週の天気~天気は周期的に変化~
福岡県の今週の天気は引き続き周期的に変わって、どちらかと言えば曇りや雨の日が多そうです。気温は最高で18度、最低は3度の予想。季節は、もはや3月で、この時期に見ごろとなる梅は一気に花を咲かせそうです。
3.お天気コラム~春一番~
今日は立春。暦の上では春を迎えたことになります。今年は暖冬の影響なのか、昨日は南風が強く、私が住んでいる糸島では、この時期には珍しく気温が20度まで上昇しました。
この時期に吹く強い南風の事を「春一番」と呼びます。
「春一番」と聞けば「元気ですかーっ!」の春一番さんを思い出す方が多いかと思います。芸名の由来は、苗字が春花であることと「芸人として1番を目指せ」「春一番の風の強い風を吹かせろ」という思いを込めて、師匠の片岡鶴太郎が「春一番」と名付けたことによります。
春一番には条件があって
①立春から春分の間
②10分間平均で風速8m/s以上の南風
このふたつを充たした気象現象が、各地方気象台毎に「春一番」と命名されます。
従って、福岡で昨日吹いた南風は、立春の前日なので①を満たさず、また風速も8m/s以下だったので、今回は春一番と名付けられませんでした。
冬の到来を告げる強い北風は、「木枯らし1号」と呼ぶのに対し、春の到来を告げる強い南風は、「春一番」と読んでいます。同じ季節の変わり目の風なのに呼称が違うのは何だか変だと思いませんか。
恐らく、「木枯らし」は、「木々を枯らし、ついに冬がやってきたか」という憂鬱なイメージの強風なので、台風と同じく「1号」と名付け、「春一番」は、この風が吹いたら春が近いとの思いを込めて「一番」と名付けたのかなと、勝手に想像していたのですが、どうやら違うようです。
「春一番」は、江戸時代に長崎県の壱岐地方で発生した漁船が強風で転覆して53人もの死者を出した事件以降、以前から漁師の間で呼んでいた「春一」「春一番」が、広く知られるようになったとのこと。
なんと、畏怖の対象だったのですね。
確かに、現代でも「春一番」は、雪崩や雪解け水での洪水などの自然災害や、強風による電車の脱線事故などを引き起こします。私が毎日利用している筑肥線でも1998年3月19日に、今宿駅で強風による車両脱線事故が発生しています。筑肥線は、この事故以来、強い風が吹くとすぐに止まってダイヤが乱れるようになりました。私にとっても、「春一番」は、厄介な風でした。
なお「木枯らし」は、関東と近畿のみ、「春一番」は、北日本(北海道・東北)と沖縄を除く地域の気象台で発表されます。
本日もここまで読んでいただき、ありがとうございました。