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【お天気コラム】積乱雲のでき方
こんにちは ウエノです。
毎週月曜日更新のお天気コラム。
まずは、先週の天気を振り返ってみましょう。
1.先週の天気~九州で記録的な豪雨~
15日、16日は梅雨の中休みで晴れ間が見えていたものの、週後半は台風5号の北上に伴う梅雨前線の活発化で、雨が多い一週間でした。
特に昨日は、筑後地方で記録的な大雨となり、一部の地域で道路冠水や家屋浸水の被害が発生しました。
昨年の大雨でも浸水した小郡市のイオン小郡ショッピングセンターは、2年続けての浸水被害を受けました。もともと溢れた水が溜まりやすい地形のような気がするので、立地を間違った、あるいは建てる時に土地のかさ上げが必要だったのではと、個人的には思います。
2.今週の天気~ようやく梅雨明け~
台風5号は日本海に抜けて温帯低気圧に変わり、台風に連れられて北上した梅雨前線も天気図上から消滅。九州は、次第に太平洋高気圧の勢力圏となるため、週の後半には梅雨明け宣言が出るでしょう。
週の前半は太平洋高気圧のふちにあたり、大気が不安定な状態が続くので、にわか雨にご注意ください。
3.お天気コラム~積乱雲のでき方~
前々回のお天気コラムで紹介した「線状降水帯」は、先週も各地に大雨を降らせました。
線状降水帯は発達した積乱雲が狭い地域で次々に発生して強い雨を降らせる現象です。今週のお天気コラムでは「積乱雲」が発生する仕組みを説明しようと考えていたところ、こんなツイートを見つけてしまいました。
「#天気の子 に出てくる上部が平らな雲は実際にあるの?」という質問をいただきましたが,限界まで発達した積乱雲です.積乱雲の一生をご覧ください. pic.twitter.com/rOuAnXZ5Ag
— 荒木健太郎 (@arakencloud) July 21, 2019
ツイ主は先週公開されたばかりの、新海誠監督の最新作「天気の子」で気象監修を務められた、雲研究者の「荒木健太郎」さん。
とても分かりやすい解説なのでリンク先を読んでもらうのが一番ですが、簡単にまとめると次のようになります。
1.暖かい空気が何かに持ちあげられ上昇流が生まれる
2.ある高度に達すると雲が発生する
3.さらに高度が上がると、雲は自分の力だけで上昇する
4.雲が上昇すると温度が下がり水蒸気は氷粒となって地表へ落ち始める
5.氷粒は落下する際に周囲の熱を奪い空気を冷やす。
6.一方、雲の上部は越えられない壁(対流圏海面)にぶつかり横に拡がる
7.雲の下部では激しい雨になって、下降流も強まる
8.降水が強まると積乱雲は次第に勢力を弱める
9.地表まで下りた冷たい空気は、暖かい空気を持ち上げる
⇒1に戻る
線状降水帯では暖かく湿った空気が次々に供給されるので、上記のサイクルが繰り返されて激しい雨が続くことになります。
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